この記事では、「増加」と「増大」の違いを分かりやすく説明していきます。
「増加」とは?
数や量がふえること、またふやすことです。
増えるには多くなるという意味があります。
1から2になると、1だけ数が多くなっています。
これが増えるが意味するものです。
人口のことで考えてみます。
ある県のある年の人口は100万人でした。
出産数が増えたり、他県から人が移り住んだりした結果、次の年に調べてみたら101万人になっていました。
去年と比べて今年は1万人多くなっています。
これは「人口が増加した」ということができます。
この言葉は程度についてはいいません。
たとえば、ある人が怒っていたとします。
その人に対して、さらに怒るようなことを言ってしまったため、怒りが激しくなりました。
この怒りの程度が大きくなったことを「増加」とはいいません。
「増加」の使い方
数や量が増えることや、増やすことを指して使用する言葉です。
数や量についてだけをいいます。
増える程度が小さい場合も、大きい場合も使うことができます。
「増大」とは?
ふえておおきくなること、ふやしておおきくすることです。
大きくなるは、物事の程度や規模が増えることをいいます。
ある事柄にかかる費用が10万円だったとします。
しかし、やりたいことが増えたために、もっと費用が必要になり、結果的に15万円が必要になったとします。
10万円から5万円増えています。
これは費用という点の規模が大きくなったということもできます。
「費用が増大した」ということができるのです。
「増大」の使い方
増えて大きくなることや、増やして大きくすることを指して使用する言葉です。
数、量、程度についていいます。
増える割合が小さい場合には使用しません。
また、体重が増えることにも使用しません。
体重が増えると、たいていの場合は体につく脂肪の量が増えて、体が大きくなります。
体重が増えて、体が大きくなっていますが、これを「体重が増大する」とはいいません。
「増加」と「増大」の違い
増えるという意味を持つ点が似ていますが、同じことではありません。
前者は数や量が増えることです。
程度についてはいいません。
後者は、数、量、程度などが増えて大きくなることです。
大きくなるという意味も含まれています。
どれくらい増える場合に使うのかという点も違い、「増加」は増える程度が小さい場合も大きい場合もいいますが、「増大」は大きい場合にだけいいます。
「増加」の例文
・『施設利用者が増加する』
・『流入量が増加する』
・『利用者の増加を目指す』
・『食べる量が増加する』
「増大」の例文
・『喜びが増大する』
・『費用が増大する』
・『振幅が増大する』
・『軍事力を増大させる』
まとめ
「増」という漢字を使用しており、増えるという意味を持つ2つの言葉ですが、数や量についてだけいうのか、数、量、程度についていうのかという点に違いがあります。