この記事では、「厳格」と「厳しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厳格」とは?
規律や道徳などに少しもいい加減なところを認めず、不正や怠慢をゆるさないことです。
入国審査には基準が設けられています。
たとえば、有効な旅券を所持すること、旅券に有効な査証を受けていること、上陸拒否事由に該当しないことなどです。
さまざまな事柄が事細かく決められています。
これらが一つでも守られていないと、その国に入ることはできません。
いい加減なところがあってはならず、不正は認められないのです。
これは「厳格な入国管理」といえます。
自分自身で決めて、いい加減なことを許さず、怠慢をゆるさない態度をとることもできます。
たとえば、体重が決まっている競技に出ることになったとします。
わずか0. 1gであっても決められている体重より多くなってはいけません。
そこで、食べていいものと食べてはいけないもの、1日の摂取カロリーなどをきっちりと決めて、それをしっかりと守って食事をすることにしました。
これは「厳格な食事制限」ということができます。
「厳格」の使い方
態度について使う言葉です。
規律や道徳にいい加減なところを認めず、不正や怠慢をゆるさないさまをいいます。
「厳しい」とは?
「厳しい」にはいくつかの意味がありますが、主なものは4つです。
1つめは、規則や道徳にいい加減なところを認めないさまです。
「しつけが厳しい」などのことをいいます。
この場合、人の基準として定められたものを守らないことを許さないといった意味になります。
2つめは、困難があり大変なさまです。
「前途は厳しい」のような使い方をします。
この場合は、これから先に困難があり大変だという意味です。
3つめは自然現象などの程度がはなはだしいことです。
坂道に角度があると登るのは大変です。
これは「厳しい坂道」といいます。
太陽が照りつけ、気温が35度を超えるような日は「暑さが厳しい」です。
4つめは、物事の状態が差し迫っていること、ゆるみがないことです。
「厳しい表情」といった使い方をします。
「厳しい」の使い方
いくつもの意味があり、さまざまな事柄に使われています。
ゆるみがないといった意味合いで使用します。
「厳格」と「厳しい」の違い
規律や道徳にいい加減なところを認めないという意味が同じです。
「厳格」の場合は、怠慢な態度をゆるさないという意味も含まれています。
また、「厳しい」にはこの意味の他にも、自然現象などの程度がはなはだしい、物事の状態が緊張しているといった意味もあります。
「厳格」の例文
・『厳格な親に育てられる』
・『厳格なルール』
・『厳格に管理する』
・『厳格な基準をクリアする』
「厳しい」の例文
・『寒さが厳しい』
・『厳しい親』
・『試合は厳しいものになりそうだ』
・『制約が厳しい』
まとめ
2つの言葉は、規則や道徳にいい加減なところをゆるさないという意味が似ています。
「厳しい」にはその他の意味もあります。