人間というのは合理的に物事を考える一方で何か人知を超えたものに運命を託すという行為を昔から行っています。
これだけ科学や技術が発達した現代においても大きなテストや面接の結果がいいものであるように神様に祈ったり、神社やお寺にお参りをするということは誰しもが行ったことがあるのではないでしょうか。
そんな中でも『天』というのは世界各国で神様が住まう神聖な場所とされており、そこでは物事を正しくとらえているという考えがあります。
例えば悪人や犯罪者に対してその行為を咎める時や努力や善行を積んでいるのに結果に繋がらない人を励ますときに『神様はちゃんと見ている』という言葉を投げかけるなどです。
その中でも『天の配剤』という言葉を聞いたことはありませんでしょうか。
『天』と『配剤』という一見すると関係性がみられない言葉がつながった表現です。
この記事では、「天の配剤」の意味を分かりやすく説明していきます。
「天の配剤」とは?の意味
この言葉の意味は『善にはよい褒美を悪には天罰を加えて懲らしめるというように物事を適切に配している』という意味を表す表現です。
冒頭でご紹介した『神様はちゃんと見ている』を少し硬い表現にしたのがこの『天の配剤』になります。
「天の配剤」の概要
この表現のポイントは『天』と『配剤』という言葉をどう関連付けられるかになっています。
『天』に関してはイメージの通り、クリーンで神聖、全知全能の印象を受けるので受け入れやすいですが、『配剤』とはどういう意味でしょうか。
まず『配剤』には大きく2つの意味が孫座しており、『薬剤を組み合わせること』という意味があります。
つまり『薬を調合』するということです。
『剤』という言葉のもともとの意味が『調合した薬』というものです。
もう一つは『ほどよい状態に組み合わせること』という意味を持っていることはあまり知られていません。
今回の『天の配剤』に使われている『配剤』はここから来ています。
少し迷ってしまうかもしれませんが、『組み合わせる』ということには変わりはありませんので、『天が適切にものごとを組み合わせている』という意味で捉えればこの表現を正しく認識することができます。
「天の配剤」の言葉の使い方や使われ方
使い方は冒頭でもご紹介した『神様はちゃんと見ている』の使い方で全く問題なく、少しフォーマルな表現にしたいときや、『因果応報』という言葉の代わりとしてつかうことのできるものです。
「天の配剤」を使った例文
・『技術の優れたA社と類まれなマーケティング力を持つB社が巡り合ったのは正に天の配剤とは言えないだろうか。』
・『10年以上未解決事件の犯人が捜査員の血のにじむような努力により逮捕に至ったのは天の配剤だろう。』
・『名将として名高い片岡監督がA校の野球部に就任し、初年度から甲子園へ出場を成し遂げたのは天の配剤以外の何物でもない。』
まとめ
如何でしたでしょうか。
少し聞きなれない『配剤』という言葉が入った表現ですが、一度イメージをつかめばとても使いやすい言葉であることがお分かりいただけたと思います。
平たい表現の『神様はちゃんと見ている』や『因果応報』などのよく見られる表現以外にも是非今回の『天の配剤』の意味をしっかりと理解し、使ってみてはいかがでしょうか。
きっと表現の彩りが増すはずです。