この記事では、「永劫回帰」の意味を分かりやすく説明していきます。
「永劫回帰」とは?意味
「永劫回帰」の読みは「えいごうかいき」で、「世の中のすべての事柄は、同じことの繰り返しである」という意味の言葉です。
この考え方は、ドイツの哲学者であるニーチェの思想によるものです。
「永劫回帰」の概要
ニーチェの哲学思想は、ニヒリズムと称されており、真理や価値を否定する考え方と言え、これを具体的に表すのが、この「永劫回帰」なのです。
すなわち、ニーチェは『人生に真理や価値などはなく』それゆえに『努力しても意味はない』、なぜなら『世の中は同じことの繰り返し』なのだからと考えたのです。
例えば、ある目標を設定して努力した結果、その目標が達成されなければ、諦めずに再び努力を切り返します。
また達成された場合には、人はそこで満足するのではなく、さらに高い目標を設定し、同じ様に努力を繰り返します。
こうした行為や考え方が、同じことの繰り返しであり、無駄なことだとしたのです。
この意味では「永劫回帰」は人生を否定するような言葉であり、否定的な意味合いが強い言葉と言えます。
しかし現在、この言葉は決して否定的な意味ではなく、むしろ肯定的なイメージを持つ言葉となっています。
それは、ニーチェが、自身が考え至ったニヒリズムや「永劫回帰」が自分を否定する言葉として、自分を苦しめることに悩み、それを超克する新たな思想を生み出し、プラスしたことによるものです。
その超克の思想が、『人生に真理や価値・目標などを見出す必要はなく、自分自身が意志を持って影響力を大きく、広めて行きさえすれば良い』といういわゆる「超人思想」なのです。
これによって、ニーチェは人生に意味があるとの、答えを出したのです。
そして「永劫回帰」であっても人生に意味があると、プラスのイメージを与えることになったのです。
少し哲学的で難しい説明とならざるを得ませんでしたが、次項の使い方等を参照して、その意味を理解されればと思います。
「永劫回帰」の言葉の使い方や使われ方
「永劫回帰」の言葉は、以下の例の様に使われます。
・『人生は永劫回帰と言われるけれど、とにかく毎日を充実させるべく、頑張ることには、意味がある。』
・『永劫回帰は人生を否定する言葉ではなく、それでも頑張って生きようと言う肯定的な意味を持つ言葉と捉えるべきです。』
「永劫回帰」の類語や言い換え
「永劫回帰」の持つ哲学的な意味はありませんが、永遠に月日が続くことを意味する類語としては、「未来永劫」や「子々孫々」や「未来永久」などの四字熟語があります。
また「輪廻転生」と言う似た言葉がありますが、この言葉は「死んでも、再び別のものに生まれ変わる」という意味ですが、そこにはそれを否定的に捉え、そこから脱局すべきと言う「解脱」と言う仏教思想のある言葉で、それがニーチェの「永劫回帰」とは異なるため、言い換えとしては使わない方が良いと言えます。
まとめ
「永劫回帰」の読みは「えいごうかいき」で、「世の中のすべての事柄は、同じことの繰り返しである」と言う哲学者ニーチェの思想を表す言葉です。
「永劫回帰」は人生を否定する言葉でしたが、それを超克する「超人思想」により、それでも生きることには意味があると、肯定的な意味へと転換されました。