この記事では「人畜無害な人」【じんちくむがいなひと】の意味や使い方を分かりやすく説明していきます。
「人畜無害な人」とは?意味
「人畜無害な人」【じんちくむがいなひと】とは、人間や家畜に対して怪我を負わせることもなく、苦しめない安心できる人という意味があります。
人を騙して金品を盗むだの、暴力をふるわないおとなしい性格の人を意味する言葉でもあり、このような者は女性に対しても危害を加えないので安心だと言えます。
このことから、害を起こさない「人畜無害な人」は問題を起こさず、他人と穏やかに交流ができる者を指す言葉になりましたが、少し人として物足りない、面白みのない人として相手を侮辱するときにも使われている言葉です。
「人畜無害な人」の概要
人間と飼われている家畜にまったく害を与えないように見える者を「人畜無害な人」と言い、いかに安心して付き合えるか強調して第三者に紹介するときに使えます。
害を与えない人に見えるのであれば、安心して付き合えると思った人は家の中に招き入れますし、付き合っても問題が起きないと相手に心を開くわけです。
「あなたは人畜無害な人に見えるところが素敵だ」と褒められる言葉として使えますが、少し刺激が足りないなと感じてしまうときは「平凡な人に感じてしまう」と相手が少し残念に感じてしまうその気持ちを表せます。
「人畜無害な人」の言葉の使い方や使われ方
たいていは害を与えそうにない人に向かって「人畜無害な人」と好感を持つ気持ちを伝えます。
このような人となら付き合っても不安を感じることはないし、悪いことが起きないと感じれば交流を深めていくわけです。
しかし、「畜生」を「ちくしょう」と言い換える原義は「けだもの」とも受け止められ、「人に値しない」という意味にもなり、「ひとでなし」と解釈できる「人畜」を足すと人間としての価値がないと思う相手を揶揄するときに使う言葉になってしまいます。
類義語には「毒にも薬にもならない」があり、悪いこともしないが、いいこともないという意味になり、「利益や良いこともない」という状態を表します。
さらに掘り下げれば、「人畜無害」は苦しめるための毒にもならないは、薬として病を治せないところから使えない者を侮辱するという意味になるのです。
「人畜無害な人」を使った例文(使用例)
・『人畜無害な人は問題を起こす心配がないので店の中で待ってもらうように』
・『我が社において人畜無害な人は必要ではないということを頭において面接を決行しろ』
・『あなたの作品は何度見ても心に響かない。
きっと人畜無害な性格が災いしているのだろう』
害がないと感じる人なら店の中で暴れたり、物を盗むことはないと感じるので、店員の目が届かないロビーに入ってもらってもいいだろうと思うわけです。
そんな「人畜無害な人」は平凡で無難かもしれませんが、もう少し独創的で刺激的な考えの人を求める会社には相応しくないので、採用されないこともあります。
ましてや、個性と斬新な発想が求められる美術の世界では刺激のない人ではどうも心を掴めない作品ばかり生み出すところが芸術家には合わないのです。
まとめ
暴力もふるわないように見える平和主義者の「人畜無害な人」ですが、時と場所によっては物足りなさを感じさせるため、会社の面接で落ちてしまったり、人に距離を置かれてしまう恐れがあります。
いつもは「人畜無害な人」として振る舞い、時と場所を考えてうまく相手を刺激し、楽しませられるよう使い分けてみるといいでしょう。