この記事では、慣用句の「愚の骨頂」の意味を分かりやすく説明していきます。
「愚の骨頂」とは?意味
「愚の骨頂」の読みは、「ぐのこっちょう」で、「この上なく、馬鹿で愚かなこと」を意味する慣用句です。
「愚の骨頂」の概要
「愚の骨頂」の慣用句を分解して考えると、「愚」は「馬鹿で愚かなこと」だと理解できますが、「骨頂」とはいったい何を指す言葉か、非常に疑問に思えます。
この「骨頂」の語源を辿ると、もともと「骨頂」は「骨張」表記していました。
この「骨張」の漢字表記の場合、「こっちょう」と読めますが、「ほねばる」とも読めます。
すなわち、「骨張」の熟語は、「意地を張る」と言う意味を持つ言葉なのです。
従って、「愚の骨張」と書いて、文字通りの意味としては「愚であることの意地を張ること」となり、「馬鹿で愚かなこと」しかも、「本人はそれが愚かなことだとは認識していない状況」のニュアンス持つ慣用句となったのです。
こうした意味を持つ「愚の骨張」が、時代を経て広まる中で、「愚の骨頂」と誤った表記が使われ、いつしかそれが定着したのです。
この間違いは、「馬鹿で愚かなことの極み」と言う意味から、「頂点」や「頂上」で使われる「頂」の漢字が誤使用されたものと推察されます。
「骨頂」と言う熟語は「愚の骨頂」以外では、「真骨頂」と言う言葉でも使われています。
「愚の骨頂」は「馬鹿で愚かな極み」と言うネガティブな意味の言葉ですが、「真骨頂」は「その人の持つ、最も優れた能力や特長」を表現する場合に使われ、ポジティブな意味で使われる言葉です。
すなわち、「骨頂」は物事の良し悪しいずれの場合にも使われる言葉と言えます。
「愚の骨頂」の言葉の使い方や使われ方
「愚の骨頂」の慣用句は、以下の例の様に使われます。
・『専務の知り合いの息子だからと、能力がそれほどでもないに採用するのは、愚の骨頂です』
・『彼は何度注意されても、同じ誤りを繰り返しています。彼は本当に愚の骨頂です』
・『仕事の状況を見ていると、到底納期に間に合いそうもありません。なのに何の手も打たないのは、まさに愚の骨頂と言わざるを得ません』
・『部長は、プロジェクトリーダーにあの人を抜擢するような愚の骨頂なことは絶対行わない』
・『最近では交通系カードを持ち、切符を買う手間を省くのは一般化しているのに、若い彼は毎回切符を購入している。本当に愚の骨頂だと思うね』
「愚の骨頂」の類語や言いかえ
「愚の骨頂」の類語としては、「バカの極み」や 「愚か者の極み」や「愚の至り」などを挙げる事が出来ます。
まとめ
「愚の骨頂」の読みは、「ぐのこっちょう」で、「この上なく、馬鹿で愚かなこと」を意味する慣用句です。
「馬鹿で愚かな極み」と言う意味と共に、「本人はそれが愚かなことだとは認識していない状況」のニュアンスも持つ言葉です。
「極めつけのバカや愚かなこと」を指す言葉なので、使用に当たっては充分注意が必要です。