「なかなかどうして」という表現はどんなときに使われるのでしょうか。
今回は、「なかなかどうして」の意味と類語を紹介します。
「なかなかどうして」とは?意味
「なかなかどうして」とは、「想像していたよりも上出来である様子」を意味する言葉です。
「なかなかどうして」の概要
見たことのないものや体験したことのないことに挑むとき、ほとんどの人は頭のなかであれこれと想像をめぐらして予想します。
食べ物ならこのくらいの美味しさだろう、芸術作品ならこの程度の出来栄えだろうなど過去の経験や知識を参考に実際に見聞きする前にある程度のレベルを予想しておきます。
「なかなかどうして」とは「事前に想像していたよりも品質や出来栄えがよく驚かされるさま」を表す言葉です。
一般的には「大して期待していなかったが予想に反してよかったとき」に使われる表現で、取るに足りないと軽んじていたものが素晴らしい成果を上げたり安価な素材で美味しい料理が作られたりした時などに用いられる表現です。
基本的には出来の良さを褒める表現ですが表現の前提として最初に軽く見ていたという要素が含まれるため直接相手に使うと機嫌を損ねてしまう恐れがあります。
ニュアンスとしても一段上にたった高い目線から見下ろすような表現でありあまり上品な言葉ではありません。
はっきりとした立場の違いや未熟であると思わせる要素がある場合は別ですが、そうでない場合には使い方に注意が必要な表現です。
出来の良さを表す言葉ですが程度はそれほどでもなく、40~60点を期待していたところ80点の出来栄えだったくらいの様子を指します。
見聞きしたものが満点に近い完璧な出来栄えの場合は「なかなかどうして」という表現では不足です。
基準となるのはあくまでも自分が事前に抱いた予想や想像なので人によってバラバラです。
子供だと侮っていたところ大人顔負けの技術を披露された場合は「なかなかどうして」という表現が当てはまりますが、子供でもプロだからと大きな期待を抱いていたところに大人顔負けだがアマチュアレベルの技術を見せられたとしたら「なかなかどうして」という評価にはなりません。
「なかなかどうして」の言葉の使い方や使われ方
・『田舎料理だと侮っていたが、なかなかどうして美味しいものがそろっている』
・『就職難だと聞いていたが、なかなかどうして転職活動は順調に進んでいる』
・『所詮駄菓子だと期待はしていなかったが、なかなかどうして味も見た目も素晴らしい出来栄えだ』
・『まだキャリアは若いが、なかなかどうして完成度の高い作品が多い』
「なかなかどうして」の類語や言いかえ
・思ったよりも
「事前に想像していた以上に」という意味の表現です。
見聞きする前の予想を基準に評価するという点に「なかなかどうして」との類似点が見られます。
いい意味にも悪い意味にも用いられます。
・まんざらでもない
「必ずしも悪くはない」という意味の言葉です。
反語的な用法として「悪いと思っていたがそれほどではなく評価できる」という「なかなかどうして」と似たような意味合いで使われます。
まとめ
日常生活ではあまり使わない「なかなかどうして」ですが、あらかじめ意味を知っておかないと混乱してしまう表現です。
言葉そのものはそれほど難しいものではないので正しい意味を覚えておきましょう。