この記事では、「私儀」と「私事」の違いを分かりやすく説明していきます。
「私儀」とは?
わたし個人のことという意味です。
「私」には、わたくし、わたし、個人のことという意味があり、「儀」には、こと、事柄という意味があります。
このことからも「私儀」には、私個人の事柄を指していることがわかります。
この言葉は届け出で使われることが多いです。
たとえば、退職願いを出すことになったとします。
会社の事柄と自分個人の事柄は別です。
自分個人のこととは、体調不良、家族の介護、引越しなど、自分自身に関することです。
退職の理由が体調不良だったとします。
このときに「私儀」という言葉が使用されます。
体調不良は自分個人に関係することで、会社のこととは関係ありません。
「私儀」の使い方
文章で使われる言葉です。
日常的に使われることは、ほぼありません。
「私事」とは?
「しじ」「わたくしごと」2通りの読み方がありますが、どちらの読み方をしても意味はほぼ同じです。
「私事」には2つの意味があります。
一つは、自分個人に関係する事柄です。
「事」には、できごと、ことがらという意味があります。
このことからも、「私事」には私の事柄を指していることがわかります。
私の事柄とは、たとえば出産です。
芸能人がテレビで出産報告をすることがあります。
テレビ番組は、ある趣旨を持って行われていますが、出産報告はそれとは関係ない個人の事柄です。
そのため、テレビ番組で出産報告をするときには、「私事」という言葉を使ってから報告がされます。
その他にも、自分個人のことには、結婚、誕生日、ペットの飼育など、さまざまな事柄があります。
公の事柄とは別の自分に関係する事柄をいいます。
もう一つの意味は、他人に知られたくない秘密、自分だけが知っている秘密です。
他人に知られたくないというと、悪いことを隠しているように受け取ることができますが、悪いことだけとは限りません。
秘密にしておきたい事柄をいいます。
「私事」の使い方
「しじ」と読む場合は文章で使うことが多く、「わたくしごと」と読んだ場合は話し言葉で使うことが多いです。
自分に関することを述べるときに使われます。
隠している事柄の意味で使われることは少ないです。
「私儀」と「私事」の違い
自分個人のことという意味が共通しています。
「私儀」はあまり使われない言葉で、使われる場面が主にビジネスにかかわる届け出と限られています。
広く使われているのは「私事」です。
「私儀」の例文
・『私儀で恐縮ですが』
・『私儀なのですが』
・『私儀と紙に書く』
・『私儀と書かれている届け出』
「私事」の例文
・『私事になりますが』
・『私事ではありますが』
・『私事で早く退社をする』
・『私事を人に知られてしまった』
まとめ
自分個人のことという意味が共通している2つの言葉ですが、使われる場面に違いがあります。
一方は届け出に、もう一方は話し言葉や文章に使用されます。