この記事では、「一応」と「念のため」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一応」とは?
「一応」(いちおう)は、頻繁に耳にする言葉です。
「一応声をかけてみる」「一応足を運んでみる」「一応伝電話してみる」などがその例です。
「一応」という言葉の意味は、「ひととおり」です。
例えば「今夜の飲み会は一応〇〇さんにも声をかけておいてた」の意味するものは、「ひととおりとして〇〇さんにも声をかけたおいた」になります。
同じような意味を持つ言葉に、「とりあえず」があります。
「一応声をかけた」と「とりあえず声をかけた」ではほぼ同じ意味になります。
「念のため」とは?
「念のため」(ねんのため)は、慎重な人ならよく使う言葉でしょう。
意味は「大丈夫だと思うが万が一に備えて」や「ほぼ確実だけれど、もしものことを考えて」などです。
つまり「確認のため」という気持ちが感じられる言葉です。
「念のため書き出しておいた」「念のため電話して問い合わせた」「念のため見直した」などよう、困ったことにならないように、確認するのは良いことです。
他にも「念には念を入れて」や「念を押す」など、失敗を避けるために注意をすることを表す表現する言葉があります。
備えあれば憂いなしで、「念のため」とあらゆることに注意深くなるのは良いことです。
しかし、同時に誰かの行いを信頼していないことにもなります。
友達が「鍵をかけた」と言ったのに対し、「念のために」とドアの鍵がかかっているかチェックするのは、ある意味友達には失礼な行為になります。
「念のため」が行き過ぎると、「疑い深い」になってしまうので注意しましょう。
「一応」と「念のため」の違い
「一応」と「念のため」の違いを、分かりやすく解説します。
「一応」と「念のため」はほぼ同じように使えます。
し「一応」は、「これまでの習慣や慣例に従う」というように自分の意思ではなく、周囲の状況に合わせるとのニュアンスがあります。
しかし「念のため」は、「間違えないように」「失敗しないように」という気持ちがあり、それを避けるために何かを確かめるというニュアンスを持ちます。
かしこまった文章やビジネス文章では、少々いい加減なニュアンスがある「一応」という表現は好まれません。
そのためにこのような場合では「念のため」を使うようにします。
「一応企画書を提出しました」より「念のため企画書を提出しました」のほうが、自主的で責任感があると感じられます。
まとめ
「一応」と「念のため」は同じように使える言葉です。
しかし「一応」という言葉には、曖昧な感じがして自己主張が感じらません。
そのため場合によってはこの「一応」を使わない方が良いケースもあります。
もちろん物事を曖昧にしておきたい場合では、「一応」は便利な言葉です。
「念のため」は、注意深さが伝わって来る言葉なので、慎重さが重視される時には「念のため」はぴったり合う言葉です。
このように状況により、「一応」と「念のため」を使い分けるようにしましょう。