「糊塗」
糊塗は「こと」と読み、失敗をしたときなどにその場をなんとか取り繕うこと、一時しのぎとしてごまかすこと、などという意味を持ちます。
糊はぼんやりした様子を指しており、問題が生じた時などにはきちんと問題を修復するのではなく、あくまでもうわべだけごまかす、といったニュアンスを持っているのです。
「糊塗」の意味
日常的に使う表現ではありませんが、これは文庫においてよく使われる表現になります。
糊はお米で作った接着剤、お粥をすする、などといった意味を持っており、塗には塗る、塗れる、すりつける、などといった意味があります。
この2つを合わせて一時的にその場をしのぐ、という意味になるのです。
「糊塗」の言葉の使い方
糊塗は名手として使われることもありますし、糊塗するいう形で動詞として使われることもあります。
サ行変格活用の動詞の連用形である糊塗して、などといった形で使われることもあります。
いずれにせよ意味としてはその場を取り繕うことを指しており、問題をごまかす事という意味があります。
「糊塗」を使った例文・短文(解釈)
それならば糊塗という表現を使った例文にはどのようなものがあるのでしょうかここでは例文をいくつか紹介します。
「糊塗」の例文1
「常に問題を糊塗しながら今まで生きてきた」
生きていると様々な問題に直面します。
しかし問題に直面したからといってその問題を全てきちんと解決しながら生活しているとは限りませんよね。
場合によっては問題の根本を解決することなく、うわべだけをなんとか取り繕って生活をしているという人もいるのではないでしょうか。
このような人は生き方が上手な場合もあります。
下手正直になりすぎず、適度に問題を取り繕う術を学ぶということも大切なのです。
「糊塗」の例文2
「あの人相手にどうやって問題を糊塗するつもり?」
問題を取り繕うとした時、それでごまかされてくれる人もいますが、ごまかされてくれない人もいます。
問題の本質をよく見抜ける人であったり、問題は取り繕うのではなく、根本から解決していかなければいけないなどという考え方を持っている人の場合、なかなかごまかされてくれない場合があるのです。
そのような人の前で上辺だけを取り繕わなければいけない時、かなり工夫をしなければいけません。
むしろそんなことをするより、問題解決を試みた方が良い場合もあります。
その場その場を取り繕ってしまうと、いつか取り繕うことができないトラブルに遭遇しかねません。
「糊塗」の例文3
「問題を常に糊塗してきたツケが回ってきた」
子供の頃は問題をごまかして通用してきたとしても大人になるとそうはいかないという背景があります。
大人になったら問題をどのようにして解決するかということが重視されるのであり、ごまかし方を知っているだけでは社会で通用しません。
問題解決能力を身に付けることなく、問題のごまかし方だけ学んできてしまうと、大きくなったらいつか困ることになるでしょう。
ある時点で問題をどのようにして解決するのかというスキルを身に付けておかなければいけません。
仕事をしているときは問題をどのように解決するかということが重要になりますので、問題解決能力は大人として必要な能力だと言えるでしょう。
「糊塗」の例文4
「この登場人物は糊塗の仕方がうまい」
文学小説などを読んでいると、登場人物によって非常にずるがしこいことがあります。
問題をうまくすり抜け、何事もなかったかのように振る舞うということが上手な性格のキャラクターがいますよね。
現実的ではないかもしれませんが、小説などではそのようなキャラクターが面白みを持っていることがあります。
推理小説などではこのようなキャラクターがダミーとして犯人だと間違われやすいことがあります。