「地道」
この地道(じみち)は、人間としての基本姿勢とも言える姿です。
多くの企業の企業理念にも取り入れられているように、それに越したことはないとも言える言葉です。
場合によっては必ずしもそれがいいとも限りませんが、そのように何かを行っていれば、決して悪いようにはならないでしょう。
「地道」の意味
地道とは、「真面目に手堅く物事を行う姿」という意味の言葉です。
「冒険を避ける」という意味も含まれており、前項にも書きましたが、この姿勢こそが人間の理想とも言える姿です。
しかし、そればかりでは損をしてしまうこともあるので世の中というもので、基本ではありながら、時によっては多少のアレンジなどが求められることもあります。
尚、この「地道」と似た意味で、更に「全く融通が利かない」という意味も含んだ「生真面目」(きまじめ)という言葉がありますが、そこまでではないと考えてください。
「地道」の由来・語源
地道は、「地味で手堅く(行くべき)道を行く」ことから作られた言葉です。
この「地道」と表現だけで、そのような姿を伝えることができます。
「じみち」という読みは、発音では特に気にする必要はありませんが、表記する場合には注意してください。
それは、つい「地」を「ぢ」としてしまうことがあるからです。
ここでの「地」の読みは「ち」が濁ったものなので、「ぢ」としたい気持ちも分からなくもありませんが、「じ」とするのが正しい表現です。
「地」を同様に読む言葉には、他にも「地震」や「地面」などがあり、「地味」もまた同様です。
「地道」の言葉の使い方
この地道という言葉は、自分がそのような性格だと言いたい時や、あの人がそのようだと誰かに伝えたいような時に使います。
個人だけでなく、団体を指して使うこともできます。
悪い意味はほとんどない言葉ですが、「融通が利かない」という意味にとられてしまうこともある(本来、そのような意味はありませんが)為、相手によっては使わない方がいいかも知れません。
「地道」を使った例文・解釈
地道を使った例文です。
この地道は、真面目な姿の表現として使いやすい言葉ですが、人に対して使うと、(色々な意味で)堅い人だというイメージになることもあるので気を付けてください。
「地道」の例文1
「地道に頑張ってきた甲斐があって、ようやく借入れ金の完済に目処が付いた」
企業の経営には、銀行などの金融機関からお金を借りることも多いです。
もちろんですが、借りたお金には利子を付けて返さないといけません。
真面目に頑張ってきたので、それがようやく終わりそうだと言っています。
「地道」の例文2
「そんな地道なやり方じゃ、いつまで経っても終わらないよ」
地道な姿勢が必ずしもいいとは言えないという例になります。
場合によってはもっと効率のいい方法があるかも知れません。
このような使い方の場合、言われた方は「融通が利かない」という意味が込められていると思ってしまいがちですが、そのような意味は特にありません。
「地道」の例文3
「どれだけ地道に努力しても、認めてもらえないことも多いのが世の中だ」
悲しい現実だとも言える例文です。
世の中で認められていくには真面目さだけでなく、他の要素(要領のよさなど)も必要だということを暗に言っています。
文章としての内容はともかく、これもまた、地道があまりよくない言葉として使われている例になります。
「地道」の例文4
「あの会社はその時々の一時的な景気に捉われることなく、創業以来ずっと地道な経営を続けている」
そのような会社は急激な成長は難しいと言えますが、長年に渡って堅い会社として信用されていることが多いです。
会社の10年生存率(創業から10年後まで、その会社が存続している可能性)は0. 3%だと言われています。
1000社が起業すれば、10年後に残っているのはたった3社だけです。
その中に入るには、地道な努力が必要なのは言うまでもありません。