「僭越」とは?意味や使い方を解説

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意味と使い方
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「僭越」

僭越は「せんえつ」と読み、「僭」には他におご-る、おか-すといった訓読みがあります。

この漢字を用いる他の言葉には「僭主」「僭称」「奢僭」「僭上」などが挙げられ、いずれも同じく「わきまえていない状態」を表します。

「僭越」の意味

行動に比して行う者の立場や能力が劣っている状態を意味します。

身の丈に合っていないのだが、それでも敢えて行う意思がある、または行わざるを得ない場合にこの言葉がよく使われます。

これは実際の所や本音とは違う場合もあるのですが、その詳細は後述します。

僭一文字で「おごりたかぶる」という意味を持つので、熟語として「傲慢が過ぎる」=身の程知らず、となります。

「僭越」の言葉の使い方

「あいつは僭越だ」などと使う事もできますが、現代ではほぼ謙遜や、スピーチの際の常套句として、自分がこれから行うこと、言う事に否定的な前置きとして用いられます。

つまりこれから身の程知らずな事をしますが、充分承知した上で誠心誠意つとめますので、どうかご容赦ください…という赦しを得るための心理が、この一語に込められているというわけです。

もちろん本当にそう思っていなくともよいわけで、和歌における枕詞のように添えるのが定例化、定型化してしまっているともいえます。

その最たる例が大学生の飲み会における乾杯の音頭であり、本当に恐れ入っているとはとても思えない満面の笑みと自信に満ちた大声を張り上げている学生諸氏は、微笑ましくも恥ずかしくもあり、どこへ行っても見かける光景です。

代表的な用法としては「僭越ながら」「僭越至極」といったものがあります。

この「僭越至極」と意味も構成も似たようなものに「恐縮至極」がありますが、こちらは恐縮、つまり「相手のしてくれた行為に申し訳なく、恐れ多い思い」であるので、自分の分をわきまえない意味合いの強い「僭越〜」とは少々ニュアンスが違います。

少なくとも上司に何かを贈られたり、取引先の方に車で送ってもらったりといった場合に「僭越至極です」とは言わない方がいい、という事です。

「僭越」を使った例文・短文

このように、古い世代の方々にとってはスピーチ時に自然と口をついて出る常套句であり、若い世代に至っては意味も知らず、先輩の猿真似で覚えているだけという人もいるかもしれない、というほど、添え物としての用法のみが日常見かけるほとんどの例となっています。

「僭越」の例文1

「僭越ながら、私がご挨拶をさせていただきます」

会社の集まりや結婚式など、多くの人が集まるフォーマルな場でこうした前置きをよく聞きます。

中にはさらに「不肖、私めが」などと添えて、心苦しさとへりくだる姿勢を強調する場合もあります。

統計が取られているわけではないので完全に感覚ですが、こうした表現を使うのは主に年配男性が多いようです。

「僭越」の例文2

「晴れの舞台に上がらせていただき、僭越至極でございます」

こちらは「能力不足だけれど、この栄誉に感謝します」という謙遜の言葉です。

上の例にもいえますが、本当に「僭越」だと感じていたなら、スピーチやセレクションを初めから辞退すればいいとも思えます。

聞き手も当然その辺は承知しているわけで、「力が足りないが、折角の誘いなので頑張ります」とか、「先方からどうしてもと言われたので仕方なく」「誰も他に適任がいなかったので仕方なく」といった気持ちを込めたものであるとはいえ、ほぼ意味はなく聞き流される事になります。

「僭越」の例文3

「僭越ながら、乾杯の音頭を取らせていただきます」

「僭」の字は義務教育で習う機会もなく、大人になってからも馴染みの薄い、難しい漢字の部類に入ります。

恐らく日本人でこの字を何も見ずに書ける人の割合はそう多くはないでしょう。

にも拘わらず、学生の飲み会などという僭越とは無縁のような日常でさえ頻繁に耳にするというのも不思議であり、何か言葉が独り歩きをしているような面白さを感じる事ができます。

歴史のある大学の中には伝統や縦の人間関係、昔の熱血指導などのカラーが色濃い所もありますので、そうしたものの名残がこの言葉に宿って、受け継がれているのかもしれません。

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