この記事では、「岡目八目」の意味を分かりやすく説明していきます。
「岡目八目」とは?意味
「岡目八目」とは、その事柄の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できることを意味する四字熟語です。
「岡目八目」の概要
「岡目八目」という四字熟語は、若い人には余り馴染みがなく、使う事も少ない四字熟語と言えるかも知れません。
この「岡目八目」に関連することわざは、江戸時代の俳諧の専門者である「世話尽」に、囲碁の用語として表記が見られます。
囲碁においては、実際に対局している2人よりも、それを観戦している人の方が、「八目」先まで冷静で、得する判断を下す事が出来ると言う意味で使われたものです。
ここで使われている「目」は見通せるという意味に解される事もありますが、これは間違いと言えます。
一方の囲碁の対戦を見ている人を指す意味である「岡目」の言葉を、少し分解して説明したいと思います。
「岡目」の「岡」は他人の恋人や親しい交際もない相手をわきから恋するこ事を意味する「岡惚れ」と同様の使い方で、直接的なかかわりがない立場である事を示すものです。
従って「岡目」とは囲碁の対局を見ている人を指すのです。
また「岡目」は「傍目」の表記を使う事もありますが、こちらの表記の方が、意味を捉えやすいかも知れません。
この囲碁の対局の逸話からことわざ的な四字熟語として「岡目八目」が誕生したのです。
四字熟語の中には、四文字の中の熟語から、正しく理解していなくても、こういう意味ではないかと類推できる事も少なくありません。
しかしこの四字熟語では、そもそも「岡目」の意味が分かりにくく、かつ囲碁の逸話を示す四字熟語を、さらに一般化して理解する必要があり、意味を類推する事は難しい四字熟語と言えます。
「岡目八目」の言葉の使い方や使われ方
「岡目八目」の言葉は、『プロジェクトメンバーであるあの二人は、喧々諤々と議論しているが、二人ともいつしか近視眼的になっており、岡目八目でプロジェクト外の私の方が広い視点での課題がよく見える気がする。』や『岡目八目という言葉があるように、横から見ている素人の方が、思わぬ発見をする事もある。』といった様に使われます。
「岡目八目」の類語や言いかえ
「岡目八目」の類語や言い換えとしては、他人の判断の方が正しい事があると言う意味の『他人の正目』や、足元の身近なものは見えにくい事があると言う意味の『灯台下暗し』が上げられるでしょう。
まとめ
「岡目八目」は、言葉そのものとしては、囲碁において対局している人より、観戦している人の方が、「八目」先まで冷静で、得する判断を下す事が出来ると言う意味を指します。
この囲碁の逸話から来た四字熟語が転じて、その事柄の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できることを意味する四字熟語となったのです。
ちなみに「傍目八目」と表記される事もありますが、全く同じ意味です。