感情をあらわす言葉は、日本にはいっぱいあります。
 この記事では、「憂慮」と「考慮」の違いを分かりやすく説明していきます。
 よく似た語句を基礎から学んで、国語力をアップさせていきましょう。
「憂慮」とは?
 憂慮(ゆうりょ)とは、非常に気がかりなこと。
 不安が湧いて、とても悩ましいことです。
 また先を案じて、色々と物思いにふける様子もあらわしています。
 ちなみに「憂慮」の「憂」とは、悪いことが起きないか心配すること。
 心にザワザワとした不安の種があって、ひどく緊張している様子をふくんでいます。
「憂」のつく言葉として、思い浮かべるのが一喜一憂。
 一喜一憂は喜びと不安が、交互におとずれることです。
 そのため「憂慮」は不安な気持ち・心配している気持ちがずっと続いている状態です。
 憂慮とよく似た言葉に懸念というワードがありますが、より強い心配をあらわしているのが憂慮。
 非常に心配していることをビジネスの場では「深く憂慮いたします」や「深い憂慮をあらわします」といいます。
「考慮」とは?
 考慮(こうりょ)とは、思いを巡らせること。
 問題について、時間をかけてじっくり考えることです。
 何かの行動を起こすとき、前もって検証することをあらわします。
 単なる思いつきではなく、ゆっくり考えた末の行動となります。
 そもそも「考慮」の「考える」という字は、おじいさんがあれこれ思案している様子から生まれた漢字。
 たしかに「考える」を眺めていると、腰を曲げたおじいさんの姿が浮かんできます。
「考」は思うのほかにも、研究するという意味があります。
 これまでの経験と照らし合わせながら、じっくり結果を導き出していくのが「考慮」なのです。
 考慮には「これから考えていく」というニュアンスも含まれているので、実生活では「~の可能性も考慮いたします」や「現在の状況を考慮します」などと使います。
 すでに終了したことよりも、現在進行形の事案にたいして使われるケースが多いです。
「憂慮」と「考慮」の違い
 よく似ている言葉に「憂慮」と「考慮」があります。
「憂慮」と「考慮」の違いを、分かりやすく解説します。
 ・強い不安は「憂慮」「憂慮」と「考慮」には思い悩むという意味合いで使われます。
 どちらも「慮」が付いているので紛らわしいのですが、より強い懸案事項をあらわすのが「憂慮」。
 悪いことが現実に起こらないか、気になって仕方がない場合にもちいます。
 これに対して「ひとまず考えます」という意味がふくまれるのが「考慮」です。
 心配や不安という心情は少なく、良い可能性と悪い可能性を全部含めて考えていく時につかいます。
 強い気がかりは憂慮、じっくり考えることは考慮です。
まとめ
「憂慮」と「考慮」の違いを分かりやすくお伝えしました。
 どちらも日常生活でよく耳にする言葉です。
 憂慮は深く心配すること。
 気がかりな様子をあらわします。
 また考慮はじっくり検討すること。
 時間をかけて考えることです。
 よく似た言葉を正しく使いわけて、語学の知識を増していきましょう。


