「棄却」と「破棄」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「棄却」と「破棄」の違い違い

この記事では、「棄却」「破棄」の違いを分かりやすく説明していきます。

「棄却」とは?

「棄却」には2つの意味があります。

一つは、捨てて気にしないこと、捨てて問題として扱わないことです。

具体的な物ではなく、問題や請求などを捨てて取り上げないことを意味しています。

物を捨てる場合、ゴミ箱に入れるなどの行為をすれば、捨てたことになりますが、問題の場合はゴミ箱に入れることができません。

この場合、捨てるが意味しているものは、手放す、かかわりを持たないようにするといったものです。

「棄却」のもう一つの意味は、裁判所が受理した訴訟について審理をした結果、その理由がないとして請求などを退けることです。

請求を受け入れられないものとして、退けることをいいます。


「棄却」の使い方

一般的には、問題を捨ててそれ以降は扱わないという意味で使用されます。

テレビや新聞のニュースでは、裁判の意味で使われていることが多いです。


「破棄」とは?

「破棄」には3つの意味があります。

1つめは、破り捨てることです。

紙の場合で考えてみます。

紙を捨てるとき、丸める、折りたたむ、切るなどをすることでしょう。

破るとは、引き裂いたり、傷つけたりすることをいいます。

紙を破り捨てるというと、引き裂いて捨てることを意味しています。

書類やパンフレットは紙で作られていることが少なくありません。

こういったものを引き裂いて捨てることを「破棄」といいます。

2つめの意味は、契約や取り決めなどを一方的に取り消すことです。

野球やバスケとボールなどのスポーツ選手は、チームと契約を結んで、そのチームで活躍をしています。

この契約は取り消すことが可能です。

選手もしくは監督・オーナーの一方が契約を取り消すことを「破棄」といいます。

双方の話し合いによって折り合いがついて契約を取り消すことではなく、一方的に取り消すことをいいます。

3つめは、上級裁判所に控訴をして、それを受けた裁判所が上訴に理由があるとして原判決を取り消すこと。

「破棄」の使い方

捨てるという意味で使用をします。

具体的な物を捨てることや、契約を取り消すことを意味しています。

「棄却」と「破棄」の違い

捨てるという意味合いを持つ2つの言葉ですが、何を捨てるのかという点に違いがあります。

前者は、主に問題を捨てることを指しています。

物ではありません。

後者は、物や契約を捨てることを指しています。

物を捨てることについては、破いて捨てることをいいます。

契約の場合は一方的に取り消すことをいいます。

「棄却」の例文

・『問題を棄却する』

・『その控訴は棄却された』

・『請求を棄却する』

「破棄」の例文

・『大量の資料を破棄する』

・『これは破棄してもよいものですか?』

・『収納場所に困ったので子どもの作品を破棄する』

まとめ

2つの言葉には捨てるという意味合いがありますが、何を捨てるのかという点に違いがあります。

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