この記事では、「錬金術」と「錬丹術」の違いを分かりやすく説明していきます。
「錬金術」とは?
「錬金術」は、卑金属、を貴金属の金に変化させようとした化学技術です。
卑金属とは、空気中で酸化した金属で、鉄、アルミニウム、亜鉛などとなります。
現代化学において、卑金属を金に変化させることは難しいですが可能であることがわかっています。
理論的には、水銀の原子崩壊を用いれば、金を創りだせますが、費用対効果が全く無く採算があいません。
歴史的には、紀元前30世紀ごろの古代エジプトや古代ギリシャが起源とされており、12世紀ごろに、ヨーロッパで盛んに研究された結果、現代化学の基礎となったという経緯があります。
錬金術最大の目標は、賢者の石を創りだすことで、この石の効果は、卑金属を金などの貴金属に変え、人間を不老不死に出来る究極の物質だと考えられていました。
「錬金術」の使い方
「錬金術」は、「錬金術」そのもののことをさす場合と、利殖行為や、悪徳商法などを比喩的に表現して、用いられる場合があります。
「錬丹術」とは?
「錬丹術」は、中国発祥の不老不死の仙人になるために、丹薬をつくる道士の術の一つです。
中国における広義の「錬金術」であると言われており、12世紀ごろの西洋「錬金術」の起源は中国だと主張している例もあります。
丹薬は、服用すると不老不死や空が飛べるようになる、鬼神を使役するなどの超能力が得られるとされており、卑金属を貴金属に変える効果もあったことから錬金術でいう賢者の石と同じような効果もあるものと言われています。
封神演義の時代にはあったとされており、後の中国では失われたことから、それを創りだす研究が盛んにおこなわれていたようですが、現代の科学全般と照らし合わせると、封神演義はフィクションである部分が多いとされています。
「錬丹術」の使い方
「錬丹術」は、比喩的に表現して用いられることはなく、「錬丹術」そのもののことを表す表現として用いられます。
「錬金術」と「錬丹術」の違い
「錬金術」は、卑金属から金を創りだすことが目的として、始まった研究であるのに対し、「錬丹術」は、不老不死の薬を生み出すことが目的として始まった研究だという違いがあります。
共通点として、その研究が盛り上がる背景となった、賢者の石や丹薬にまつわるお話があります。
まとめ
「錬金術」と「錬丹術」の違いについて説明しました。
「錬金術」は、卑金属から金を創りだすことが目的としてヨーロッパで広まった化学技術で、「錬丹術」は中国発祥の不老不死の秘薬を創りだすことを目的として広まった研究です。