「うつけ」と「たわけ」の違いとは?分かりやすく解釈

「うつけ」と「たわけ」の違いとは?違い

歴史ドラマなどを観ていると、時々、「うつけ」「たわけ」といった言葉が出てくることがあります。

現代では標準語としては特に使われていない言葉ですが、この二つの言葉の違いを見ていくことにしましょう。

この記事では、「うつけ」「たわけ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「うつけ」とは?

「うつけ」とは、「ぼんやり」、または、「まぬけ」と言うような意味を表しています。

もともと「空」という言葉から来ているようです。

漢字で書くと、「空」「?」、あるいは「虚」と書き表します。

常識外れの人物のことを「うつけ者」と言ったようです。

歴史上の人物では織田信長が「尾張の大うつけ」と言われていました。

彼は「ぼんやり」というよりは、どちらかというと、常識という枠にハマらなかった性格だと言えるでしょう。

織田信長は天下統一まであと少しのところまで上り詰めた人物です。

また、戦国武将の中でも織田信長は、現在でも大変人気があります。

やはり歴史に名を残す人物だけあって、かなり癖の強い武将だったと言えるでしょう。

他にも、徳川幕府第13代将軍である徳川家定が「うつけ」だったかもしれないと言われているようです。


「たわけ」とは?

「たわけ」とは、「ふざけること」や、「ばか(もの)」のことを言います。

相手を罵って言う言葉で、歴史ドラマなどでは、「このたわけ者めが」などというセリフを聞くことがあります。

今で言うと、「この大ばか者」と言うような意味になるのかもしれません。

これらの意味は漢字で書くと、「戯け」になります。

同じ「たわけ」でも、「田分け」と書くと、遺産相続などで、田んぼを分け与えるという意味になってしまいます。

ですが、「田分け者」は家の財産を潰すばか者というような意味で使われていました。

そのため、「たわけ」の語源は、ふざけるの意味の「戯く」、または、「田分け」から来ているとも言われています。

「たわけ」は名古屋弁などで今でも使われているようですが、「ばか」「あほ」よりもキツい言葉のようです。


「うつけ」と「たわけ」の違い

「うつけ」「たわけ」の違いを、分かりやすく解説します。

「うつけ」「たわけ」はどちらも尾張(愛知)の方言のようです。

「うつけ」の方は何もしないでボーっとしていると言うような意味合いがありますが、「たわけ」は迷惑行為をする厄介者というようなイメージです。

どちらも困った人には変わりがないのですが、「うつけ」「何もしないのが問題」で、「たわけ」「とんでもないことをするのが問題」と区別することができるでしょう。

まとめ

現在はこのような言葉を使うと、「モラハラ」「パワハラ」と言われてしまうでしょう。

ですが、武士の時代は封建社会だったので、これらの言葉が当たり前のように使われていたのかもしれません。

「うつけ」「たわけ」というようなニュアンスの言葉は、現在ではやはり喜ばれる言動ではありません。

歴史ドラマなどを観て、こういう言葉があることを知り、現代での言葉遣いを見直すきっかけにしたいものです。

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