相撲業界で使用されていた「えびすこ」とはどんな意味の言葉なのでしょうか?
この記事では、「えびすこ」について分かりやすく説明していきます。
「えびすこ」の意味とは?
「えびすこ」とは、大相撲における隠語であり、「大食いの力士」や「大食漢の力士」、「腹一杯食べること」を指す言葉です。
「えびすこ」の語源とは?
「えびすこ」の語源については諸説挙げられいます。
「恵比寿講/えびす講」が由来とする説
「恵比寿講(えびすこう)/えびす講」は祭事、民間行事であり、10日20日や11月20日に開催されたり、「十日えびす」として1月10日や1月15日、及びその前後に催されています。
「恵比寿講(えびすこう)/えびす講」では、「えびす様」や「かまど神」を祀って、1年の五穀豊穣や商売繁盛、大漁、無事の感謝を捧げます。
商人や漁師などの集団によって行われるイベントでもありますが、東日本では商業や漁業の神様に限らず、農業の神様として崇められている傾向が強いこともあり、家庭内祭祀としての意味合いも持ち合わせています。
近年では、地域の商業団体などが「恵比寿講/えびす講」に合わせて安売りなどのイベントを行う例も見られています。
民間語源(言語学的根拠のない伝承)によれば、「神無月(かんなづき/かみなづき)」(旧暦の10月)では、神々は翌年の会議のために出雲へ出向くため、出雲以外の地から神々が居なくなるとされています。
「えびす様」は、その「神無月」に出雲へ赴かない「留守神」とされています。
また、「かまど神」とは「竈(かまど)」や「囲炉裏(いろり)」、「台所」など火を使う場所で祀られている神です。
火の神であり、農業、家畜、家族の守護神としても扱われています。
「えびす様」を由来とする説
「えびすこ」は、腹一杯に食べた後に膨らんだ力士のお腹が「えびす様」に似ていることに由来とする説があります。
「えびす様」とは、七福神の一柱として有名な日本古来唯一の福の神です(他はインドや中国由来の神)。
昔より漁業の神として扱われていましたが、後に留守神や、商業の神としても扱われるようになりました。
「えびすこ」の使い方
大相撲の隠語として、大食いの力士を指して、「えびすこが強い」などと用いられていたり、?せ型の力士が体重を付けるために無理してたくさん食べることを指して「えびすこを決める」と用いられていました。
しかし、2010年以降は「えびすこ」という単語そのものが相撲業界で使用されることが少なくなっているようです。
まとめ
「えびすこ」とは、「大食いの力士」や「大食漢の力士」、「腹一杯食べること」を指して用いられていた大相撲における隠語です。
大食いの力士を指して「えびすこが強い」、?せ型の力士がたくさん食べることを指して「えびすこを決める」などと用いられていましたが、2010年以降は相撲業界でも使用されることが少なくなっています。