人からなにかを頼まれたり、逆に誰かになにかを頼むことは往々にしてあります。
しかしなにかを頼むにしても、頼み方によって人間関係や頼んだことをちゃんとこなしてくれるかに差が出るので、頼み方の違いは知っておくべきです。
この記事では、「お願い」と「命令」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お願い」とは?
「お願い」は人に要望を出すことや頼むこと、またはその内容や事柄です。
「お願い」は相手に断る権利がある頼みごとで、自分と相手の立場に関係ありません。
対等な立場の相手は勿論、上司や目上の人にも「お願い」することはできます。
上司から部下に出された「お願い」は立場上断ることが難しいことも多いですが、それでも優先度が低いなどで部下に断る選択肢があるなら、それは「お願い」です。
断られる可能性があるからこそ、「お願い」をする時には断られないように、態度や言葉遣いの注意が必要になります。
「命令」とは?
「命令」はなにかをする、もしくはしないように言いつけることで、する側が上位、される側が下位の立場の時にだけ成立します。
また「命令」には拒否権がなく、基本的に従わなくてはいけないものです。
そのため本来対等な立場の相手への「命令」は失礼な行為であり、成立せずに拒否されることもあるでしょう。
自分が上の立場であり、確実に従ってほしい時には「命令」が有効ですが、些細なことまで「命令」すると反感を買ってしまいます。
「お願い」と「命令」の違い
「お願い」と「命令」の違いは自分と相手の立場や、強制力の有無です。
「お願い」は相手の立場と無関係にできますが、「命令」は相手が自分より下の立場でないとできません。
また「命令」には強制力があり、理由なく断れば立場的な不都合が起こるものですが、「お願い」にはそう言った強制力がなく、相手には断る選択肢があります。
「お願い」の中には相手が上司だから断ると不都合が起きる、しなかった場合大きな損失があるなどで実質断れないこともありますが、それでも建前上断れるのであれば「お願い」です。
「お願い」と「命令」の類語や言い換え
「お願い」の類語には「要望」があり、「依頼」も類語の一種です。
「要望」はしてほしいことを強く望むことやそれを伝えることで、「お願い」よりも丁寧な言葉として使われます。
「依頼」は特に社外へ仕事を頼む時に使われる言葉ですが、してほしいことを頼むことで、拒否する自由もあるので、「お願い」と意味が近いです。
「命令」は「要求」や「指令」が類語になります。
「要求」は当然の行動として相手に強く求めることで、これにも強い強制力のある言葉です。
「指令」は上からの指図や通達であり、「命令」とほとんど意味が変わりません。
まとめ
「命令」は強制的で濫用すると相手に反感が湧きますが、選択肢の余地がある「お願い」であれば、相手の不満もある程度抑えつつ従ってもらえます。
「お願い」と「命令」は上手く人間関係を構築するために、言葉だけでなく行動としても、使い分ける必要があるでしょう。