この記事では、慣用句の「のべつ幕なし」の意味を分かりやすく説明していきます。
「のべつ幕なし」とは?意味
「のべつ幕なし」とは「休みや切れ目がなく、ひっきりなしに続くさま」を意味する慣用句です。
「のべつ幕なし」の概要
「のべつ幕なし」の慣用句を分解して、その意味を説明します。
まず「のべつ」の言葉は、「延べ(のべ)」に助動詞の「つ」が付いた言葉で、「絶え間なく続くさま」を意味します。
一方、それに続く「幕なし」の語源は、芝居において幕が引かれることなく、演じ続けられることを意味します。
そこから転じて「休みなく、切れ目なく続くさま」を意味する言葉となったのです。
すなわち、「のべつ幕なし」は、「のべつ」と、同義語の「幕なし」を重ねて、意味を強調する形にされた言葉なのです。
「延べつに」と言う言葉は、江戸時代に既に使用されていましたが、「のべつ幕なし」の慣用句は、明治以降に定着した言葉です。
この「のべつ幕なし」は、しばしば「のべつくまなし」と誤用されるています。
これは「まく」が反転して「くま」と誤用されたものですが、慣用句全体の語呂としては「のべつくまなし」の良いため、誤用が定着したためと思われます。
また「のべつひまなし」と言う誤用も、目にすることが少なくありません。
これは「休みや切れ目なく」の意味から「休む暇もなく」と類推され、その「暇なく」が誤用されたものと思われます。
こうした誤用をしないためには、先に説明したこの慣用句の語源をしっかり理解することで防げるはずです。
「のべつ幕なし」の言葉の使い方や使われ方
「のべつ幕なし」の慣用句は、以下の例の様に使われます。
・『彼女はダイエットのために食事の量を減らしていると言っているが、その一方で、のべつ幕なしにお菓子を食べている。あれではダイエットに成功する訳がない』
・『彼はのべつ幕なしに、しゃべっている。あれだけしゃべっていると、相手の言葉など耳に入って来ないでしょうね』
・『漫才師の中には、楽屋でも、のべつ幕なしにしゃべり続ける人もいますし、非常に無口になる人もいます。』
・『彼女はのべつくまなしと言う言葉をよく使っているけれど、それは間違いで、のべつ幕なしが正しいことを教えて上げた方が良いと思います』
「のべつ幕なし」の類語や言いかえ
「のべつ幕なし」の類語としては、「しょっちゅう」や「始終」や「止め処無」や 「間断なく」や「絶えず」などが挙げられます。
「のべつ幕なし」は先に記載した様に、同義語を重ねて強調する形の慣用句であるため、上記の類語はそれに比べて、「休みなく、切れ目なく」の表現が、少し弱いと言えます。
まとめ
「のべつ幕なし」とは「休みや切れ目がなく、ひっきりなしに続くさま」を意味する慣用句です。
「のべつ」と「幕なし」は同義語で、それを重ねることで意味を強調する形とした言葉です。
従って、先に記した類語を使うより、強調したい時に使うと良いと言えます。