この記事では、「みっともない」と「みすぼらしい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「みっともない」とは?
「みっともない」とは、体裁が悪くて恥ずかしい、はたから見て見苦しい、という意味です。
見たくないという意味の「見とうもない」が「みともない」を経て変化し「みっともない」に固定されました。
「みっともない」は、ある人の身だしなみや振る舞いが行き届いていないことに対し「恥ずかしくて見ていられない」と、なげかわしく思うことです。
元の言葉が意味する「見たくもない」は、自分がある人に対して抱く感想ですが、「みっともない」は「人が見たくもないと思うような見た目だ、人から見て体裁が悪い」とやきもきする心情を表します。
ある人が、行儀が悪い、場にふさわしくない格好をしている、ばかげた行動をしているような状況において、それを見た人が非難する意味で用いる言葉です。
類語には「見苦しい」「はしたない」などがあります。
「見苦しい」は見た目や振る舞いが不快なこと、「はしたない」は無作法で行儀が悪いことです。
これらの中では「みっともない」が最もネガティブなニュアンスを持つので、当人に向けて使う時は注意が必要です。
「みっともない」の例文
・『堂々とカンニングするなんて、みっともない真似はよせ』
・『お皿に顔を近づけてガツガツ食べるのはみっともない』
「みすぼらしい」とは?
「みすぼらしい」とは、物や人の外見が見劣りして弱々しく見えることです。
通常はひらがなで表記しますが、漢字をあてた場合は「身窄らしい」となります。
「身窄らしい」は「身」と動詞の「窄る」【すぼる】を組み合わせ、形容詞にしたものです。
「窄る」はすぼめる、小さくなることを意味しており、「身窄らしい」は見た目が見劣りして弱々しいさまを表しています。
「みすぼらしい」は主に物や人の外見が見劣りするさま、身なりが貧しそうなさまを表すときに使われます。
一般には、物の形や大きさ、傷み具合などや人の服装などに対して使われる言葉であり、内面、人の意識、概念などの状況を形容することには使われません。
類語には「貧相」【ひんそう】、「貧弱」【ひんじゃく】などがあります。
互いにニュアンスはよく似ていますが「貧相」は顔や風貌が貧しそうに見えること、「貧弱」は中身が劣って弱々しいことを表しているところが微妙に異なります。
「みすぼらしい」の例文
・『僕は学生時代にみすぼらしいアパートに住んでいた』
・『ぼろぼろの衣装を着て、みすぼらしい老人役を演じる』
「みっともない」と「みすぼらしい」の違い
「みっともない」と「みすぼらしい」の違いを、分かりやすく解説します。
「みっともない」は体裁が悪くて見苦しい、恥ずかしいという意味です。
「みすぼらしい」は物や人の外見が見劣りして弱々しい、貧しそうに見えることです。
「みっともない」は、他人の身だしなみや行儀などが行き届いていないことに対して非難するときに使います。
「みすぼらしい」は人や物の見た目を形容する言葉であり、比べてみても意味は異なることが分かります。
まとめ
「みっともない」と「みすぼらしい」は、似ている印象もありますが、意味ははっきり異なります。
どちらもネガティブな意味を持っているので、人に対して使う場合は相手を傷つけないよう注意する必要があります。