物事が解決したとの様子を指す言葉として「わだかまりが残る」という表現があります。
普段の生活でも使われる言葉ですが具体的にはどのような様子を指しているのでしょうか。
今回は、「わだかまりが残る」の意味と類似表現について解説します。
「わだかまりが残る」とは?意味
「わだかまりが残る」とは、「揉め事が一応は解決したがスッキリしてはおらず相手に対する心の壁は取り払われていない」という意味の言葉です。
「わだかまりが残る」の概要
「わだかまりが残る」の「わだかまり」とは「心のうちにある不満」とを意味します。
「本来であれば不平不満は解消されるべきであるのにそうはならずいまだに心のなかには不満が残っている」状態が「わだかまりが残る」です。
一般的にはトラブルになった相手や対象に対して悪い気持ちや納得の行かない不満などが消えていない様子を指し「一応は解決しているが何かのきっかけで再び揉め事になる可能性がある」ような状況を表しています。
順調に解決すれば心のなかが整理されるはずなのに心の整理がうまくいかず負の感情が残っている状態が「わだかまりが残る」なので「解決したといっても全面的ではなく問題の先送りや一時しのぎに近い状態」のときに使われる表現です。
「わだかまりが残る」の言葉の使い方や使われ方
・和平合意は成立したが不満の声も強く、それぞれの民族でわだかまりが残るのは避けられない。
・わだかまりが残ることのないように双方が納得いくまで話しあう。
・しぶしぶ合意書にサインはしたが相手の不誠実な態度にはわだかまりが残っている。
・政権奪取に向けての野党共闘が実現したが、意見の異なる相手との連立にわだかまりが残るとの声も強い。
「わだかまりが残る」の類語や言いかえ
・釈然としない
「疑念や迷いに対してストンと納得がいかず心に引っかかっている」という意味の言葉です。
全体としては納得しているものの上手く説明できないどこかに強く引っかかって納得することができないような状態を表しており、不満や不平がスッキリ消えない「わだかまりが残る」とはよく似た意味の言葉です。
「わだかまりが残る」が対立する相手や物事に対する不満や不平であるのに対し、こちらは疑念や疑惑全般に対して使われる表現です。
・火種がくすぶる
「表向きは平和だが対立の根本原因が解決されておらずいつ爆発してもおかしくない状況」を指す言葉です。
「わだかまりが残る」が人の感情的な部分を意味する言葉であるのに対し、こちらはケンカや武力衝突など直接的な危険性がより高い場合に使われます。
一応の解決は見せているという点で共通していますが危険度には違いが見られます。
・しっくりいかない 「おさまりが悪く違和感がある」という意味の言葉です。
相手との関係性で使う場合は「気があわない」「考え方に違いがある」といった意味合いになり「わだかまりが残る」と似た部分のある言葉です。
「わだかまりが残る」がそれなりにはっきりとした不平や不満であるのに対し、こちらは漠然とした違和感など言葉にしにくい不快感を表しています。
まとめ
普段の生活でも「わだかまりが残る」ような解決は少なくありません。
人間関係という曖昧な部分が多い物を表現する言葉だけあって意味もはっきりとしたものではなくわかりにくい部分も多いのは事実です。
厳密な意味だけではなく文脈から伝わる雰囲気も読み取って言葉の理解を深めてください。