LINEで文章などを打っていて、微妙なニュアンスの違いに迷うこともあります。
この記事では、「わびしい」と「さみしい」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しい言葉の使い方を知って、日本語力をアップしていってください。
「わびしい」とは?
わびしいは「シーンと静かで寂しい」という様子をあらわした言葉です。
また何とも悲しくて、じっとしていても涙があふれて止まらない状態もさしています。
わびしいは漢字で書くと「侘しい」と書きますが、これは古くから日本に伝わるわび・さびのこと。
日本の美意識にもつながる言葉で、決して恵まれた暮らしをしていなくても、ひと握りの美しさを見つけようとする前向きな心情をあらわしています。
お金がかかっていないけれども気品があるもの。
地味だけれども、うっとりするような惹きつけられる魅力があるもの。
このような状況にたいして、わびしいと言い表すことがあります。
「さみしい」とは?
さみしいには「心が満たされていなくて切ない」という気持ちをあらわした言葉です。
とても親しくしていた人が引っ越してしまったり、仲の良かったクラスメートが転校してしまったりした時にこの言葉を使います。
あるべき人がいない、あるべき場所に何かがない場合は、心にぽっかり穴が空いたような気持ちになるものです。
自分だけ置き去りにされたような不甲斐ない気持ちになってしまい「さみしい」と思うことがあります。
さみしいは「寂しい」と書きますが、寂にはあわれむ・いたむという意味があります。
「わびしい」と「さみしい」の違い
どちらも似ている言い回しのため、よく間違えてしまうのが「わびしい」と「さみしい」です。
「わびしい」と「さみしい」の違いを、分かりやすく解説します。
・わびしいは情景、さみしいは人
わびしいというのは、情景や風景など「いま目にはいっている空間そのもの」をあらわした言葉です。
一方でさみしいは「いまの自分の気持ち」をあらわした言葉になります。
わびしいが自分とその場の風景が一体になっているのに対して、さみしいは自分の心の中だけを見つめた言葉になります。
そのため簡単に違いを見つけるのなら、わびしいは情景、さみしいは人の心に対してつかう言葉になります。
・わびしいは古典、さみしいは現代
わびしいは日本に昔から伝わっている美意識をあらわした、品のある日本語です。
少し自分に酔っているような感情も含まれているので、ナルシスト的な言葉といっていいと思います。
またさみしいはありのままの感情を伝える、現代的な表現です。
小説風に言いたい時はわびしい。
一般的なおしゃべりはさみしいと使い分けることもできます。
まとめ
わびしいとさみしいの違いを分かりやすくお伝えしました。
わびしいは物や空間・情景に対して使う言葉。
そしてさみしいは自分の気持ちに対して使う言葉です。
どちらも空虚である様子や、あるべき人がいなくて切ない感情をあらわしています。
正しい使い方を知って、日本語の達人を目指していきましょう。