この記事では、「イーサネット」と「LANケーブル」の違いを分かりやすく説明していきます。
「イーサネット」とは?
「イーサネット(Ethernet)」とは、元々1973年5月22日に誕生したOSI参照モデルでレイヤー2(データリンク層)にあたるもので、主に通信の規格を表すものです。
現在の「イーサネット」は、Ethernet Ⅱにあたり、DEC、Intel、Xeroxによって作られたことから、DIX仕様とも呼ばれています。
このDIX仕様は、IEEE 802.3 CSMA/CDとしてOSI参照モデルでレイヤー2(データリンク層)とレイヤー1(物理層)をセットで標準化されているため、通信と物理的な機器の規格を含んでいるものになります。
通信(データリンク層)では、宛先(MACアドレス)と送信元(MACアドレス)、プロトコルのタイプ、フレームのチェックなどをして破損の無い通信を担保しています。
物理層では、接続するインターフェースの形状やケーブルの種類、デジタルデータと物理的な信号の変換方式などを定義しています。
一般的には、イーサネットをケーブル通信規格のみに限定してIEEE 802.3としており、IEEE 802.11の無線LAN通信と区別されていることに注意が必要です。
(元々のデータリンク層のみであった時のイーサネットでは、無線通信として規格されていたこともあり、違和感を覚える人がいる可能性に配慮しています。)
「LANケーブル」とは?
「LANケーブル」とは、インターネットの接続に使われるLANを構築するために必要なケーブルです。
OSI参照モデルでレイヤー1(物理層)にあたるもので、LANを構築するために使われるIEEE 802. 3の規格に対応した通信ケーブルとなります。
ローカルエリアネットワーク(LAN)では、物理的なケーブルでパソコンやゲーム機などとルーターや他のパソコンなどを繋ぐために使われます。
LANケーブルには大きく分けてストレートケーブルとクロスケーブルの2種類がありますが、現在ではほぼすべての製品に自動判別機能が備わっているため、ストレートケーブルのみで通信できるようになっています。
ストレートケーブルとクロスケーブルがそれぞれ必要だったかについては、簡単にいえば、スピーカーとマイクの関係のように、通信用と受信用の線がそれぞれつながっており、コネクタは同じ形をしていたため線をクロスさせる必要があったということになります。
現在では、IEEE 802.3規格にも種類があり、IEEE 802.3の後に英字の記号で規格が区別されています。
最新の規格は、IEEE 802.3baとなり、100Gbpsの通信速度に対応しています。
通信規格は、それを構成する対応機器が全て最新のものに対応していなければならないため、LANケーブルだけ最新のものに交換しても意味が無いことに注意が必要です。
「イーサネット」と「LANケーブル」違い
「イーサネット」は、OSI参照モデルでレイヤー2(データリンク層)とレイヤー1(物理層)をセットで標準化している規格であるのに対し、「LANケーブル」は、レイヤー1(物理層)に含まれる規格の一つです。
まとめ
「イーサネット」と「LANケーブル」について説明しました。
「イーサネット」は、通信と物理的な機器を構成する規格です。
「LANケーブル」は、「イーサネット」を構成する物理的な規格の一つです。