「愚民」とは?意味や使い方、例文や意味を解釈

「愚民」とは?意味と使い方

この記事では、「愚民」の意味を分かりやすく説明していきます。

「愚民」とは?意味

「愚民」「愚」「おろかや、つまらない」と言う意味を持つ漢字であり、「民」「一般の人、大衆」と言う意味を持つ漢字です。

従って、「愚民」とは「おろかでつまらない一般の人や大衆」を意味する言葉です。


「愚民」の概要

「愚民」とは「おろかでつまらない一般の人や大衆」と言う意味である事は、前項で記した通りですが、これは一般の市民が自分達の事を謙遜して使う言葉ではありません。

現在の日本や欧米先進国のような民主的な国家が形成される以前に、為政者が一般市民に情報を与えずに、無知な状態に置いて、コントロールしやすい状態にした一般市民を、軽く見て表現する言葉として「愚民」は使われていたのです。

こうした為政者の政治手法は「愚民政策」と呼ばれています。

欧米のかつての多くの君主国家がそうですし、軍国主義国家もそうですし、現在においても中国などの一党独裁の国家もこれに近いと言わざるを得ません。

情報統制をし、色々な意見やものの見方を遮断し、一般市民をある意味で無知で白紙状態にしたところに、為政者が自分達に都合の良い思想を吹き込み、コントロールしやすくすると言う手法です。

自由と民主主義が確立されている国家では、為政者がこうした政治姿勢を取れば、選挙を通じて為政者を交代させる事が出来ますが、それが出来ない政治制度の絶対君主・軍隊・党などの独裁政治と結びつき、この「愚民政策」が長く続く結果となっていたのです。

民主化された国家においては、官僚は市民の奉仕者であるべきですが、高級官僚は自分達が高級市民であり、一般市民は「愚民」であり、自分達が政策を通じて導かねばならないと言う意識に陥りやすく、これが一般市民と政府との意識の差を生んだりする課題は、今日も多くの国で散見されています。

しかし、これが散見されると我々一般市民が知る事が出来ていることが、まだまだ知らぬ間に「愚民化」されていない救いと言えます。


「愚民」の言葉の使い方や使われ方

「愚民」は『彼が国家公務員にキャリア採用された時には、国民のより良い生活のために自分の知恵を発揮し、奉仕すると張り切っていたが、少し偉くなった現在では、国民を愚民だと見下す傾向が顕著になってしまった。』や『全国民参加の選挙が行われていない中国では、共産党指導部による愚民化政策や独善的な政策が行われていると言わざるを得ない。』の様に使われます。

「愚民」の類語や言いかえ

「愚民」は一般市民を見下して使う言葉で、これに近い類語としては「細民」「下級国民」「惰民」などが挙げられます。

まとめ

「愚民」とは「おろかでつまらない一般の人や大衆」を意味する言葉です。

これは一般の人や大衆が、自分達を謙遜・卑下して使う言葉ではなく、為政者が一般の人や大衆を見下し、コントロールすべき対象と見なして使われる言葉です。

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