「ウィルス」と「病原菌」の違いとは?分かりやすく解釈

「ウィルス」と「病原菌」の違いとは?違い

夏は、食中毒をひきおこすサルモネラ菌やブドウ球菌などが気になりますが、空気が乾燥してくる冬はインフルエンザやノロウィルスなど、ウィルス性の病気が心配です。

ところで、ウィルスと病原菌の違いを知っていますか。

この記事では、「ウィルス」「病原菌」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ウィルス」とは?

英語での表記は“Virus”

ビールス、バイラスと言われることもあります。

最も単純な構造の微生物で、核酸として遺伝子であるDNA か RNA のいずれかを持っています。

タンパク質の外殻で包まれています。

動物・植物・細菌を宿主とし,ほとんどのものがその生合成経路を利用して増殖します。

細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。

大きさは、細菌よりもはるかに小さく、μmの更に1/1000の単位nm(ナノメートル)が用いられます。

ウィルスを見るには電子顕微鏡が必要です。

ちなみに例として、ノロウイルスは、直径約30nmです。

意味が転じて、コンピューターに不具合をひきおこす、コンピューターウィルスという言葉がうまれました。


「病原菌」とは?

英語での表記は“bacteria”

病気の原因となる細菌のことです。

病菌とも言います。

病原菌(細菌)は細胞を持ち、自己複製能力を持った微生物です。

一つの細胞しか無いので単細胞生物です。

大きさは、通常1mmの1/1000の単位μm(マイクロメートル)で、光学顕微鏡で見られます。

ちなみに例として、ブドウ球菌は、直径約0. 8~1. 0μmの球状です。


「ウィルス」と「病原菌」の違い

それでは「ウィルス」「病原菌」の違いを、改めて整理してみましょう。

・増殖の仕方が違います。

細菌は自分で増えますが、ウィルスは単独では増えるのはおろか生存すらできません。

ウィルスは生きた細胞の中でしか増殖できません。

・治療法が異なります。

細菌は、例外もありますが、ペニシリンなどの抗生物質が有効です。

抗生物質とは、細菌の細胞を攻撃できる薬のことです。

一方、ウィルスは、ワクチンを接種することで対応します。

ワクチンは無毒化したウィルスを体内に入れて免疫力を高め、実際に感染したときに急激にウィルスが増殖することを抑える効果があります。

・予防法に異なる点があります。

細菌は、調理道具を清潔に保つなど、衛生環境を整えることが肝心です。

ウィルスは、室内の湿度管理、換気など、ウィルスが生息しにくい環境づくりをすることや、帰宅時の手洗いうがいも有効です。

また予防接種も効果があります。

しかし、どちらも基本的な感染症に対する予防策が大切です。

清潔を保ち、免疫力を低下させないよう、栄養バランスの良い食事、基礎体力をつけること、規則正しい生活を過ごすことが基本です。

原因となる病原体や感染経路によって予防対策が異なるので、日頃から施行できる予防策を習慣化しましょう。

まとめ

この記事では「ウィルス」「病原菌」の違いをみてきました。

どちらも「病気の原因」ですが、増殖方法や、治療方、予防方に違がいがあります。

正しく理解して、体調管理や健康維持に役立ててください。

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