この記事では、ウールとメルトンの違いを分かりやすく説明していきます。
ウールとは?
ウールとは、羊の毛からできた動物繊維のことであり、主にヤギの毛を使ったものを指す言葉です。
セーターや手袋などの原料になるカシミヤやモヘヤは羊の毛を使っており、肌触りも良く、温かいのが特徴的。
そのヤギの毛を原料として、アルパカやウサギの毛を刈り取り、丁寧に編みこんで織った毛織物をウールと表します。
動物繊維の中でもとくに使われているウールは、日本で売られているもののほとんどが海外のものです。
このウールの原料になる羊の種類はメリノ種が一般的で、柔らかいため織物に最適。
撥水性もあるので多少濡れても水が染み込みにくく、液体調味料や飲み物をこぼしてもとりやすいのもいいところなのです。
糸にすれば空気を含むので寒い季節には優れた断熱性を発揮。
温かいのに適度な通気性をもたらし、保湿にも優れています。
この機能性を活かし、毛布にすれば寝ているときも温かいまま朝を迎えられます。
また、しわになりにくいのでアイロンがけをする必要がなく、染み込んだ臭いは風を当てればとれるというさまざまなメリットがあるのがウールの魅力です。
しかし、アルカリに弱く、アイロンをじかにかけると光ったり、糸が溶けてしまうという難点があるため、適切な洗い方と扱いに工夫することが必要です。
メルトンとは?
メルトンとは、動物の毛でできたウールや綿を原料として作られたコットンをフェルト化した毛織物になります。
フェルト化けすることで より丈夫になりますし、密度の高いコートや帽子などが作れます。
編み込んだ間に隙間ができにくいためより保湿性が高まりますし、撥水性にも優れています。
フェルトのような柔らかさが心地よく、軽さもあるのでスタジャンやピーコートなどの防寒着に最適な素材です。
このメルトンを使ったコートを長持ちさせるには馬毛や豚毛のブラシを使い、外から帰ってきたときは表面に付着したホコリを早めに取り除くことがコツです。
値段が高いものは重量が重いですが、圧縮したコットンを使っているので保湿性が格段に高く、反対に安いものは重量が軽いアクリルを圧縮したものが含まれています。
ダッフルコートやチェスターコートなど男性が着るアウターに採用され、よりメルトンの需要が増えています。
ウールとメルトンの違い
ウールとメルトンの違いを、分かりやすく解説します。
羊の毛を100%使って作られているのがウール織物となり、もう一方のメルトンはコットンやアクリルを取り入れ、縮みや絡みを活かした毛を縮絨して切断しやすいようにした生地という違いがあります。
メルトンコットンを多く含むため、多少はアイロンの熱にも強く、チクチクしにくい肌触りになります。
機密性はウールよりも高く、保湿性に優れているのも魅力的な素材です。
まとめ
動物の毛でできたウールは織物の素材であり、メルトンは毛が絡まっているキューティクルの縮みを縮絨したものです。
ウールは毛の質が良いものほど滑らかで着心地が良く、メルトンは厚手でしっかりした作りのものを選べばより長持ちし、着心地も良くなっていきます。
着るほど毛も馴染んでいき、愛着のわく服となるのも魅力的です。