「エビデンス」と「証拠」の違いとは?分かりやすく解釈

「エビデンス」と「証拠」の違い違い

この記事では、「エビデンス」「証拠」の違いを分かりやすく説明していきます。

「エビデンス」とは?

「エビデンス」とは、英語の“evidence”から来た言葉で、一般的には「証拠」「根拠」と訳されています。

しかし使用される業界や場面によって、少しその言葉の意味が違うニュアンスで使われています。

元々、「エビデンス」は英語では、医療や心理学などの分野において、ある症例に対して、効果があることを示す「科学的根拠」すなわちその薬や治療法を使った場合の臨床結果や検証結果のことを指す言葉として使われます。

それが「エビデンス」と言う言葉が広まるにつれ、少しづつニュアンスが業種や場面で違って使われる様になって来たのです。

例えば、IT業界でも「エビデンス」が、しばしば使われますが、ここではシステム開発の過程などでシステムが正しく動作していることや、逆にトラブルが生じたことを示すログデータや画面キャプチャなどの「証拠資料」を指す言葉として使われています。

さらにビジネスの世界でも使われており、一般的には「証拠資料」を指す事が多いですが、その内容は業種や状況により多様化していると言えます。


「証拠」とは?

「証拠」とは、事実や真実を明らかにする根拠となるものを指す言葉です。

また裁判においては、「証拠」は要証事実の存否について裁判官が判断を下す根拠となる資料のことを意味します。


「エビデンス」と「証拠」の違い

「エビデンス」とは、英語の“evidence”から来た言葉で、一般的には「証拠」「根拠」と一般的に訳され、元々は医療業界で使われていた言葉が、様々な業界や業種で使われるようになった言葉です。

一方の「証拠」は事実や真実を明らかにする根拠となるものを指す言葉です。

すなわち、「エビデンス」「証拠」と訳された事で、事実・真実を明らかにする根拠と少し広い意味で捉えられるようになり、医療業界で使われていた「科学的根拠」「科学的」な部分が薄れて行ったとも言えます。

また各種業界や業種で「エビデンス」が多用される事で、単にファクト=事実を指すだけの言葉として使われたり、個人の感想やバイアスが乗ったものとなったりし、元々の英語の「evidence」から乖離しているものも見られるようになったのです。

すなわち、「証拠」を私達は、少しあいまいに使っていた事で、「証拠」と訳された“evidence”「エビデンス」とカタカナ表記で広まると共に、さらに「証拠」以上にニュアンスの違い言葉として使われる結果となったと言えるのです。

まとめ

「エビデンス」は、医療や心理学などの分野において、ある症例に対して、効果があることを示す「科学的根拠」を指す英語の“evidence”から来た言葉です。

一般的には「証拠」や根拠と訳されており、その意味では「エビデンス」「証拠」は日本においては、ほぼ同義語と言えます。

しかし、本来「エビデンス」「証拠」以上に科学的根拠を持つものに対してのみ使われるべき言葉ですが、多くの業種や場面で使われる事で、逆に「証拠」以上にあいまいな言葉となってしまったと言えます。

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