カメラを使った撮影を専門に行う職業の肩書として「カメラマン」と「フォトグラファー」があります。
どちらもカメラのプロフェッショナルですが、いったいどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「カメラマン」と「フォトグラファー」の違いについて解説します。
「カメラマン」とは?
「カメラを用いて写真や映像を撮影する人」を指す言葉です。
「カメラマン」という言葉には大きく分けて2つの意味合いがあります。
ひとつは「撮影担当者」という意味、もうひとつは「カメラを使っての撮影を職業にしている人」という意味です。
どちらの意味も一般的によく使われていますが、たんに「カメラマン」と言う場合は「職業として撮影をする専門家」の意味あいで使われます。
「カメラを使って撮影をする」と言う要素が言葉の中心なので「カメラの取扱い」がポイントになります。
写真の出来栄えや仕事ぶりよりも「カメラを操作して撮影作業を行う」というオペレーターの側面が強調されています。
意味合いとしては「運転手」のようにある種の機械や装置に付随する人と言うニュアンスが強く含まれ、その人の技術や属性などとは無関係にカメラを操作して撮影を行う人はすべて「カメラマン」に該当します。
「カメラマン」の使い方
・結婚式の撮影をプロのカメラマンに依頼する。
・即席カメラマンになってパーティーの様子を撮影した。
・いいカメラマンほど現場に居合わせる運を持っている。
・戦場カメラマンとして世界中の紛争地帯を訪問している。
「フォトグラファー」とは?
「フォトグラファー」とは、「カメラで作品となる写真を撮影する専門家」を指す言葉です。
「フォトグラファー」と言う肩書は一般的に「芸術的な写真を撮影する写真芸術家」と言う意味合いで使われています。
依頼を受けて商品写真や人物写真を撮影することもありますが、物体を撮影するという外面的な要素ではなく写真の出来栄えという芸術的な要素が強調されているのが「フォトグラファー」と言う肩書です。
カメラはだれでもシャッターを切れば写真撮影が可能です。
誰でもできる写真撮影という作業において他とは違う個性的な芸術性を発揮するのが「フォトグラファー」であり、被写体よりも撮影者のほうが注目されるような人を指して使われる言葉です。
「フォトグラファー」の使い方
・著名なフォトグラファーに撮影を依頼する。
・インスタグラムで注目を集めている新進気鋭のフォトグラファー。
・フォトグラファーの写真展を鑑賞する。
・一流のフォトグラファーにも愛用されているカメラ。
「カメラマン」と「フォトグラファー」の違い
「カメラマン」と「フォトグラファー」の違いは「芸術性」です。
「カメラマン」は写真を撮影する人であり被写体のために写真を撮ります。
「カメラマン」の写真にも芸術性はありますがそれが主目的ではありません。
「フォトグラファー」の撮影は芸術作品の創作活動であり写真のために被写体を選びます。
撮影者の個性や思想などが写真に込められ作品として被写体の価値とは無関係に評価されます。
もう一つの違いとして「カメラの種類」があります。
「カメラマン」は写真用のカメラだけでなくビデオカメラや映画用のフィルムカメラなど撮影装置としてのあらゆるカメラを扱う人を指します。
「フォトグラファー」はカメラで写真を撮影する人のみを指します。
まとめ
「カメラマン」と「フォトグラファー」は似ているようで全く別の意味があります。
呼び方を間違えることがないように正しい意味を知っておきましょう。