この記事では、ガワラ立ちとカトキ立ちの違いを分かりやすく説明していきます。
ガワラ立ちとは?
ガワラ立ちとは、大河原邦男氏が考え出した立ち方のイラストで見せる描き方を指す言葉です。
登場人物を立たせるときはいくつかの条件があり、顔は左上をやや見上げた角度で、側面視点は右側面に意識すること。
そして右足は外側に少し向かせて立たせ、左足は正面を向かせて立たせます。
また、カトキディティールと比べると顔が大きく、やや足が短いのも特徴的。
両足はあまり大きく開かせず、垂直に立たせ、細かすぎるディティールは関係なく、少なく描くところがこのガワラ立ちに見られます。
このガワラ立ちの原点となるのが中村光毅氏で、1976年に発表した『タイムボカン』で斜め前からの煽りを見せるというデザイン画を発表しました。
ギミックを取り入れたことが斬新だったのです。
このデザインの技法を大河原氏に託したことで、『機動戦士ガンダム』を通して多くの人に知られることになります。
そして、ガンダムでは独特な格好いい立ち方が生まれ、ファン増やしていくわけです。
ガンダムにはイラストの巨匠である中村の発想が多く出ており、中でもコア・ファイターはタイムガイコッツを原点とし、人型メカのデザインにも彼のデザインを取り入れています。
そして、後に大ヒットするメカプトンを生み出し、多くの人を感動させました。
カトキ立ちとは?
カトキ立ちとは、メカデザイナーであるカトキハジメ氏が多くの作品の中で用いる登場人物のポーズのことを指します。
この立ち方では、胸を若干後ろに反り返らせ、肩幅よりも少し大きく両足を広げ、拳を握り締めるのが特徴的。
また、軽く肘を曲げ、顎を引き、強い眼力で立ちます。
凛々しい姿で立つガワラ立ちよりも怒りを持った闘争心に包まれているような姿で立ちます。
このカトキ立ちは細部形状に焦点を当てており、メカデザインで重なる部分がありません。
ほとんどのパーツにも目が届く利便性を考えているわけです。
しかし、このカトキ立ちを考え出したのは大河原邦男であり、アングルを多用しては生み出した立ち方でもあります。
それまでの立ち方は三面図でしたが、現在ではローアングルから主役メカのデザインを煽るという手法を採用したことからこのカトキ立ちが多用されたのでした。
ガワラ立ちとカトキ立ちの違い
ガワラ立ちとカトキ立ちを、分かりやすく解説します。
大河原邦男が発案した立ちポーズで描くのがガワラ立ちで、カトキハジメが描くイラストで登場人物を立たせるときに使うのがカトキ立ちという違いがあります。
また、両足を大きく開き、顔を少し小さく描くのがカトキ立ちで、それに比べて両足の開き方は少し小さめで、顔と手を大きめに描くのがガワラ立ちの違いが見られます。
まとめ
立ち方だけでその登場人物の印象がだいぶ変わってきます。
足先から上にかけて足首を大きく描くガワラ立ちと、全体的に大きさを同じように描くカトキ立ちとの違いはよく見るとかなり違うのが分かります。
この2つの描き方を真似できるかよくイラストを比較してみれば、自分でも格好よく立たせられるでしょう。