「コバンザメ」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「コバンザメ」とは?意味と使い方

いけ好かない相手に対して陰口を叩くときに使われる言葉に「コバンザメ」という表現があります。

この言葉は具体的にどのような相手に対して使われるのでしょうか。

今回は、「コバンザメ」の意味と類似表現について解説します。

「コバンザメ」とは?意味

「コバンザメ」とは、「有力者のおこぼれにあずかろうとついてまわる器の小さい人」を意味する言葉です。


「コバンザメ」の概要

「コバンザメ」というのはコバンザメ科に属する魚類の一種です。

特徴的なのはその生態で普通の魚は自力で食料を獲得するために自分より小さな魚を襲ったり砂を掘ったりしますが「コバンザメ」はサメやカジキなど自分よりもはるかに大きい魚に吸盤で自身を貼りつかせ大きな魚が食事する際に出る食べこぼしを食糧にしています。

いわばおこぼれにあずかることに特化した生物で「コバンザメ」に取っては大きな魚に張り付くことで労せず食料を得られると同時に外敵から身を守ることもできます。

他の生物の力を利用した生存関係のことを「共生」といいますが「コバンザメ」のように片方のみが得をする共生関係のことを「片利共生」といい自然界でも珍しい特殊な関係性です。

このように努力することなく一方的におこぼれにあずかる生態になぞらえて「自分では努力をせず有力者や実力者に近づきおこぼれにあずかることで利益を得ようとする人」のことを「コバンザメ」と表現します。

生物の「コバンザメ」が吸盤で自らの身体をより大きな魚に吸いつけることから「ベッタリと張り付いてはなれない人」のことを「コバンザメ」と呼びます。

自らの利益を目的に有力者につきまとったり権力者に擦り寄って美味しい思いをしようと狙ったりする人が「コバンザメ」であり、多くの場合「努力せずにうまい汁を吸おうとするろくでなし」という侮蔑的な表現として使われる言葉です。

基本的には人に対して使われる表現ですが企業や組織などに対して用いられることもあります。

チェーン店を出展する際には人通りや収益見込みなど綿密な事前マーケティングが行われた上で候補地を決定します。

マーケティングには資金とノウハウが必要なことから費用と手間の節約を狙い大手チェーン店が出店した場所なら価値も高いだろうと見越して独自調査をせず追従するように後追いで出店するビジネス手法が「コバンザメ商法」です。


「コバンザメ」の言葉の使い方や使われ方

・『大手企業の後追いでコバンザメのように利益を狙うビジネスモデル』
・『有力者にこびへつらうコバンザメのような態度は歓迎されない』
・『コバンザメと言われようと有力者に頼る姿勢を変えるつもりはない』
・『彼が豊かに暮らせているのはコバンザメのように先輩のおかげで得をしているからだ』

「コバンザメ」の類語や言いかえ

・寄生虫
「自分の力ではなく他人に寄生していい思いをしている人」を意味する言葉です。

「コバンザメ」が有力者からすると取るに足らない食べこぼしや取りこぼしなどを利用していい思いをしている人を指すのに対し、こちらは擦り寄っている相手にとって重要なものまで手を出そうとする強欲な人に対して使われます。

・腰巾着
「有力者のそばに常に付き従う人」を意味する言葉です。

有力者の権力を自分の都合のいいように利用するなど「コバンザメ」と同様に有力者によって発生する利益を甘受している人を表します。

まとめ

特異な生態を持つ「コバンザメ」は大物につき従う小物の例えとしてピッタリの表現です。

元々の意味を理解すれば比喩的な表現の理由も簡単に理解できます。

日常でも使われる機会のある言葉なので比喩としての意味を覚えておきましょう。

意味と使い方
意味解説辞典