物資の輸送に大活躍する貨物自動車にはいくつかの種類があります。
工事現場などに出入りする大型の貨物自動車として「ダンプカー」と「トラック」がありますが、このふたつはどのように区別されているのでしょうか。
今回は、「ダンプカー」と「トラック」の違いについて解説します。
「ダンプカー」とは?
「ダンプカー」とは、「荷台部分を傾斜させられる機構を備えた運搬用貨物自動車」を指します。
貨物自動車の中には積載した物資を下ろす際に荷台全体を傾けて流し落とすように下ろせる車があります。
このような荷台を傾斜して荷物を流し落とすことができる貨物自動車を「ダンプカー」といいます。
その性質上「ダンプカー」で運搬されるのは岩や土砂などある程度乱雑に取り扱っても問題がないものに限られます。
荷台を傾けて下ろす関係上積み荷の取り扱いは決して丁寧ではありません。
衝撃で壊れてしまうものや傷つくと価値が下がってしまうものなどは運搬されず、主に建築関係の土砂や砂利など流し落としても問題がないものを運搬します。
車体が大きいというイメージが強いですがサイズは関係がなく、荷台を傾斜させられる貨物自動車は全て「ダンプカー」です。
「ダンプカー」の使い方
・建設現場にダンプカーが出入りする。
・ダンプカーに工事で出た残土を積み込む。
・道幅ぎりぎりの巨大なダンプカーが通過する。
・ダンプカーが荷台を傾け砂利を一気に下ろした。
「トラック」とは?
「トラック」とは、「車体後部に専用の荷台を備えた運搬用貨物自動車」を指します。
自動車のうち車体後方に座席が設けられておらず貨物を積み込む専用の荷台が備え付けられているのが「トラック」です。
多くは運転席と助手席の定員2人で後部には様々な荷物を積載できる据え付けの荷台が設けられています。
2台の種類には天幕のあるものやコンテナ状のもの、自動開閉機構を備えたものなどいろいろな種類がありますがどのようなものであれ荷台を備えている自動車は全て「トラック」に分類されます。
車体の大きさもさまざまで能動などで使われる小型の軽自動車から都市間輸送に使われる超大型のものまで、目的や用途に応じて使い分けられます。
「トラック」の使い方
・早朝の高速道路はトラックが多い。
・トラックで産地から市場に直接鮮魚を運ぶ。
・積み荷を満載したトラックがターミナル基地に到着した。
・トラックの荷台から段ボール箱を積み下ろす。
「ダンプカー」と「トラック」の違い
「ダンプカー」と「トラック」の違いは「荷台を傾斜させられるか」です。
「ダンプカー」は専用の荷台を備えた「運搬用貨物自動車のうち荷台を傾斜させられる機能を備えているもの」を指します。
「トラック」は専用の荷台を備えた運搬用貨物自動車全般を指す言葉です。
傾斜装置の有無は関係なく運搬用貨物自動車であれば全て含まれるので「ダンプカー」も「トラック」の一種です。
まとめ
「ダンプカー」と「トラック」は同じものの別名だと勘違いされることも多いのですが、実際には全く異なるものを指しています。
違いにより求められる役割も異なるふたつを見分けられるようにそれぞれの特徴を知っておいてください。