この記事では、「ティーチング」と「コーチング」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ティーチング」とは?
英語の“teach”からきた言葉で、教えるという意味です。
“teach”は、単なる情報を伝えるときに使う“tell”や、実演して教える“show”とは違い、経験の少ない者に対して、学問や知識、知識などを教えるときに使用します。
教師の側に知識や経験などがあり、それを生徒に教えるという意味になります。
新人研修など、大勢を相手にしているときに有効な方法です。
上司の持っている知識や経験、一般常識などを、効率的に教えられます。
デメリットは、教える側が一方的に教えることになりやすいので、教わる側が受け身になりすぎてしまい、自主的に考えたり動いたりしなくなることがあります。
「ティーチング」の使い方
教える者が、知っている知識や経験などを、教わる人に伝えるときに使用します。
また、ロボットに必要な動きなどを教えるときに、「ティーチング」を使うこともあります。
「コーチング」とは?
英語の“coach”からきた言葉で、運動や技術などを指導することです。
又は、スポーツの選手やビジネスマン向けに、目標達成の為に必要な能力や行動などを引き出す能力開発法やコンサルテーションのことを意味しています。
「コーチ」という言葉は、昔、馬車の産地だったハンガリーの「コチ」が語源です。
コチが馬車の産地だったことから、ヨーロッパで、馬車のことをコチと呼ぶようになり、その後鉄道の客車やバスもコーチと呼ばれるようになりました。
1830年にはイギリスの大学生のあいだで、試験対策のための家庭教師をコーチと呼ぶようになりました。
教師が鞭を持ち、目的達成まで運んでくれることにかけたスラングでしたが、その後、「コーチ」は、トレーナーのことを指すようになりました。
1990年ごろからアメリカを中心に広まっていき、2000年ごろから日本でも「コーチング」が行われるようになりました。
「コーチング」は、潜在能力を開発することが目的で、人間の持つ能力を解放させて、成果をあげることを目指します。
コーチは、受ける人の能力を引き出すために、観察したり、信頼関係を構築したり、質問、傾聴などをしていき、答えを見つける手助けをします。
「コーチング」の使い方
コミュニケーションを通じて、受ける側の問題解決や目標の達成を、サポートするときに使用します。
「ティーチング」と「コーチング」の違い
違いは、答えや知識がどちらのほうにあるのかというところです。
「ティーチング」は、教える側が答えを持っています。
それに対し、「コーチング」を、行う場合は、教わる側の能力を開放することが目的なので、答えは教わる側が、コーチにサポートされながら出していくことになります。
「コーチング」では、受ける側が自分のことを話しますが、「ティーチング」は、教える側が話をします。
「ティーチング」の例文
・『ゴルフのティーチングプロを目指します』
・『教師の採用試験で、ティーチングデモンストレーションがあります』
「コーチング」の例文
・『コミュニケーションスキルを上げるために、コーチングを受けることにしました』
・『コーチングのスキルを身に付けると、部下の育成に役立つ』
まとめ
二つの言葉は、どちらも人を育成するときに使うものですが、意味は違います。
違いを知って、役立ててください。