ネット上で使われるスラングのひとつとして「ネット弁慶」という言葉があります。
日常生活ではまず使われることのないこの言葉の意味は何なのでしょうか。
今回は、「ネット弁慶」の意味と似た意味を持つ言葉について解説します。
「ネット弁慶」とは?意味
「ネット弁慶」とは、「ネット上だけで強気に振る舞える人」を意味する言葉です。
「ネット弁慶」の概要
「ネット弁慶」とは「内弁慶」に由来する言葉です。
「内弁慶」とは正式には「内弁慶の外地蔵」ということわざのことで「家の中など身内には弁慶のように強気な言動に出られるが外に出てしまうと一転して地蔵のように黙りこんでしまう内と外での落差が大きい人」を意味します。
「内弁慶」は「身内とそれ以外で態度が変わる人」を指す言葉ですが「ネット弁慶」はそのネット版です。
「普段の生活ではおとなしく目立たないのにネット上では人格が変わったように居丈高で荒々しい様子を見せる人」を指して「ネット弁慶」と表現します。
一般的には「ネット上でしか前に出られない小心者」を揶揄して使われる侮蔑の混じった表現です。
匿名性の高いネットでなければ威張れない様子ははたから見ると滑稽さすら感じられるものであり、そのような態度を取る人物に非難と哀れみのみを込めて使われます。
自分という存在を認知していないネット上でしか感情を露わにできないのが「ネット弁慶」であり、その多くは人見知りだったり引っ込み思案だったりとコミュニケーションを苦手にしてルのが本来の人格です。
強くありたいという願望が野蛮なふるまいの原因だとする説もありますが、理性によって抑えてつけていた衝動がネットという知り合いのいない空間で開放されただけだという説もあり「ネット弁慶」が誕生する原因については諸説あります。
「ネット弁慶」の言葉の使い方や使われ方
・『ネット弁慶だとからかわれて逆上したのが炎上の始まりだった』
・『アイツはネット弁慶に決まっているから相手にしてはいけない』
・『夏休みの時期になるとネット弁慶がウヨウヨと湧いてくる』
・『SNSで強い言葉を使うのはほとんどがネット弁慶だという調査結果が発表された』
「ネット弁慶」の類語や言いかえ
・ネット番長
「ネット上で番長気取り」という意味の言葉です。
「番長」とは学生など年若い不良集団のトップを意味します。
ネット上においてのみ番長を気取っているような人物のことを指す言葉で「ネット弁慶」とは非常に近しい意味で使われます。
強い言動など外からでも確認できるふるまいだけではなく「ネット上で全能感を感じている人」というニュアンスも含まれています。
・イキリ厨
「すぐにいきがった言動をする問題人物」という意味の言葉です。
「厨」とは中学生を意味する「中坊」に由来するネットスラングで「大した知識もないのに調子に乗る者」と言った意味合いで使われます。
「イキリ」とは関西地方の方言で「意気がる」を意味する言葉で「虚勢をはる様子」を表します。
「いきがって調子に乗った言動をする人物」が「イキリ厨」でありその振る舞いは「ネット弁慶」にそっくりです。
まとめ
SNSの普及により「ネット弁慶」は増殖しつつあります。
関わってもろくな事にならないのでネットで見かけたら刺激せずそっと距離を置くのが正解です。