「ハモる」
「ハモる」は歌を歌う時に使われる言葉です。
英語と日本語が組み合わさってできた「俗語」ですが、最近では辞書にも載る様になりました。
「ハモる」の意味
「ハモる」の意味や語源、類語などについて紹介します。
「ハモる」の意味
「ハモる」の意味は「あるメロディに対して違う音程を付け加えて、音を美しく響かせること」です。
例えば誰かがカラオケで歌っている時に、他の人が違う音程で歌いより完成度を上げる行為です。
本人が主旋律を歌い、もう一人がその音程より下或いは上の音程で歌い、メロディーに深みと広がりを持たせるのです。
「ハモる」の具体例
「ハモる」は、とにかく上や下の音程で歌えばいいというものではありません。
音が人の耳に心地良く響くには一定の法則があります。
音の波長が最も合うとされているのが「3度の音」で、音楽で「和音」と呼ばれる音の組合せです。
和音には「協和音」と「不協和音」があります。
「協和音」は3度の法則で音が重なり「ドミソ(Cコード)」「ドファラ(Fコード)」「シレソ(Gコード)」などがあります。
この音を正しく歌える様になるとキレイに「ハモる」ことができるのです。
一方波長が合わない音を組み合わせたものは「不協和音」と言われ、非常に耳障りで「ハモる」とは言われません。
「ハモる」の語源
「ハモる」は、英語の“harmony”(ハーモニー):調和を日本語の動詞化をした言葉です。
「ハーモニーを作る・する」が段々と省略されて「ハモる」になりました。
「コーラス」との違い
「ハモる」と同じ様に主旋律以外に他の人が歌う用語として「コーラス」があり、この2つは全く違います。
「ハモる」は、同じ歌詞を同じタイミングで、音の高さを変えて歌うことです。
「コーラス」は、歌詞もタイミングもメロディーも同じとは限りません。
バックの楽器と同じ様に「声」で演奏をしてメロディーをより際立たせる役割があるのです。
「ハモる」の言葉の使い方
「ハモる」の使い方には以下のポイントがあります。
動詞形と名詞形がある
「ハモる」は動詞として使われますが、名詞の場合は「ハモり」になります。
「キレイにハモる」や「キレイなハモり」など、幅広い表現に対応しています。
人の声に対しても使われる
「ハモる」は基本的に歌を歌う時に使われる言葉ですが、人の声がn対しても使う場合があります。
例えば偶然他人と同じ言葉を同時に言ってしまった時に「ハモった」と使います。
この場合は特に耳触りの良し悪しに関係なく使って構いません。
「ハモる」を使った例文・短文(解釈)
「ハモる」を使った例文と解釈を紹介します。
「ハモる」の例文1
「あ、この曲私がハモりを入れます」
カラオケで誰かが歌う時に、キレイに音を調和させて一緒に歌えると自分から手を挙げた時の言葉です。
下手に歌うとその人の得意な曲を台無しにしてしまうので、自信がある様子を表しています。
「ハモる」の例文2
「あのバンドはハモりに問題がある」
どんなに一生懸命ハモっても、不協和音に聞こえてしまうと聴衆に評価して貰えません。
歌をキレイに響かせることがいかに難しいかを表しています。
「ハモる」の例文3
「兄弟同士だと実にキレイにハモる」
親子や兄弟などは、声帯の構造がよく似ているので声質がピッタリと合います。
一緒に歌っても他の人よりもキレイに響く様子を表しています。
「ハモる」の例文4
「彼はその場ですぐにハモれるのがすごい」
相対音感があると、相手が歌っている音に対して自分がどの音を出せばキレイに共鳴するのかが勘で分ります。
一度聴いたらすぐにハモりが分るので、初めての曲でも2番や繰り返し部分でキレイなハモりを入れられるのです。
周囲の人が感心している様子を表しています。