この記事では、「ポスティングシステム」と「FA」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ポスティングシステム」とは?
「ポスティングシステム」とは、「入札制度」とも呼ばれている主にプロ野球で行われている移籍の方法を指します。
後述する「FA」の権利を持たない選手が、海外のメジャーリーグ等に移籍する場合に、選手個人ではなく所属している球団が持つ権利です。
「ポスティングシステム」の申請期間は11月1日~2月1日と決まっており、申請する際も選手と球団の両者が合意している事が必要です。
その後メジャーリーグ球団側との交渉が行われ、年俸などの条件が合意された場合に移籍が行われます。
合意がされた後、メジャーリーグの球団側から、現在所属している球団に対し譲渡金といういわゆる移籍金が支払われます。
これが「ポスティングシステム」という移籍の方法になります。
「FA」とは?
「FA」とは「フリーエージェント」と呼ばれる、所属している団体との契約を終了し、他のチームと契約ができる状態を指します。
「FA」は、野球で主に聞く言葉になっていますが、実は他のスポーツでも使われる言葉です。
上述した「ポスティングシステム」も一部のスポーツで見られる制度ですが、「FA」程ではありません。
スポーツのオフシーズン中は、現在所属している団体と来季の契約についての相談を始めます。
しかし、「FA」を行使した場合は、所属団体以外の団体との交渉する事ができます。
もちろん「FA」を行使している選手は自由な状態となるため、もし獲得に興味を示した団体が現れなかった場合、団体に所属できなくなるというデメリットがあります。
さらに、球団に対して譲渡金というお金が動く「ポスティングシステム」とは違い、前所属団体に対し移籍金が発生しない事も特徴です。
「ポスティングシステム」と「FA」の違い
「ポスティングシステム」と「FA」の大きな違いは、「FA」は選手が一度無所属の扱いとなること、「ポスティングシステム」は元団体に譲渡金と言う見返りが発生するという事にあります。
「ポスティングシステム」は、所属している団体に対して、譲渡金というお金が支払われるため、所属団体に対しても見返りがあります。
その上、選手にとっても海外のメジャーリーグで活動できるという利点があります。
「FA」は、選手が目指していた団体に所属できるチャンスが生まれたり、安定した複数年契約が出来るなどのメリットがありますが、もちろんプロ選手ではなくなってしまうというデメリットも存在します。
そして移籍に関して団体同士の金銭の支払い等は基本的には発生しません。
「ポスティングシステム」の例文
・『ポスティングシステムを用いてマリナーズに移籍したイチロー選手は、伝説的な選手だ』
・『ポスティングシステムでメジャーリーグに移籍した選手は全て成功している訳ではない』
「FA」の例文
・『FA権を行使した選手は、無所属の扱いになるため契約できないリスクもある』
・『FA権を獲得するには様々な条件が必要だ』
まとめ
「ポスティングシステム」と「FA」の大きな違いは、所属していた元の団体に対して見返りがあるかどうかという点です。
「ポスティングシステム」は主に野球で使用される契約方法のため、メジャーリーグの球団が日本の球団に対して、選手獲得の際に契約金を選手ではなく球団に支払うという事です。