機械のパーツは、よほど強い興味がないと、身近な機械でも知らないことがほとんどでしょう。
車のタイヤ一つとっても、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」は名前以外の何が違うのか、説明できる人は多くありません。
この記事では、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ラジアルタイヤ」とは?
「ラジアルタイヤ」とは、タイヤの骨組みにあたるカーカスというコードが、回転方向に対して放射状に配置されているタイヤです。
回転方向に対し垂直に並べられたカーカスを、金属製のベルトで締め付ける構造になっています。
放射状の英語がラジアルなので、カーカスが放射状のタイヤという意味で、「ラジアルタイヤ」という名前になりました。
タイヤとしての特徴は比較的柔らかいので、タイヤ全体が地面に密着します。
そのためタイヤのグリップ力が上がりスリップしにくく、安定した操縦をしやすいのが特徴です。
また柔らかさが路面からくる衝撃を吸収するため、高い速度が出ている時の乗り心地も比較的良くなります。
「バイアスタイヤ」とは?
「バイアスタイヤ」とは、カーカスが回転方向に対して斜めに配置されているタイヤのことです。
カーカスが斜めの場合、一方向だけだと内部で捻れてしまうので、逆方向のカーカスも複数枚組み合わせ、それをブレーカーコードで補強する構造になっています。
バイアスという言葉は偏りや斜めという意味の英語で、カーカスが斜めのタイヤなので「バイアスタイヤ」という名前で、「ラジアルタイヤ」と区別されるようになりました。
「バイアスタイヤ」は側面が硬くできており、強い荷重にも耐えられるようになっているのが特徴です。
また低速走行時の乗り心地も良いので、荷重が大きく速度が出しにくい、重量のある車両に使われています。
「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の違い
「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の構造的な違いとしては、回転方向に対して、骨組みにあたるカーカスの方向性が違います。
「ラジアルタイヤ」のカーカスは、回転方向に対して垂直な配置です。
それに対して「バイアスタイヤ」は回転方向に対して斜めにカーカスが入っています。
それぞれのメリットで見た時の違いとしては、「ラジアルタイヤ」は安定感が高く、摩耗の偏りも出にくく、速度を出している時の乗り心地も良いというメリットがあります。
それに対して「バイアスタイヤ」は、比較的大きい荷重にも耐えやすく、あまり速度を出していない時の乗り心地に優れるというのが特徴です。
まとめ
車に強い興味や関心がないと、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の違いもわかりませんが、車に拘り始めるとなると、この2つの違いは無視できないでしょう。
拘りがなければ違いが解らなくても問題ないはずですが、自分の車をより良くしたいなら、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の違いは覚えておくべきです。