「不祥事」と「不祥事件」の違いとは?分かりやすく解釈

「不祥事」と「不祥事件」の違い違い

裁判などのニュースを見ていて、不祥事や不詳事件などの言葉を耳にすることもあるかと思います。

どちらも難しそうな言い回しですが、少しずつニュアンスが変わってきます。

この記事では、「不祥事」「不祥事件」の違いを分かりやすく説明していきます。

迷いやすい言葉の違いを知って、ぜひ気になるニュースを深読みしてみてください。

「不祥事」とは?

不祥事とは不快に思うような事件、多くの人が良くないと思う出来事のことを指しています。

不祥事を起こすと言うと、悪いスキャンダルを引き起こすという意味になるので、どちらかと言えばゆゆしき場面で使う言葉になります。

事件を引き起こした当事者やその関係者にとっては、できれば記憶の片すみにほうむりたい不名誉な出来事になります。

ちなみに「祥」の言葉には、喜ばしい・ハッピーという意味があります。

それに「不」という否定する言葉がはいっているので、喜ばしくない・アンハッピーという意味合いになります。

超有名な芸能人が、何らかの問題行動を起こしたとき。

自粛すべきシーンで公的な職員が派手な言動をしたとき。

「心のたるみから、また不祥事が引き起こされました」という使われ方をします。

報道番組や芸能ニュースなどでは、よく耳にする言葉になります。


「不祥事件」とは?

不祥事とよく似ている言葉に、不祥事件があります。

不祥事件とは会社の中で何らかのコンプライアンス違反や法令違反が起きたこと、またその一連の流れを指しています。

個人だけに当てはまるケースもあれば、会社の役員全員や組織全体に当てはまるケースもあります。

不祥事件の一例として銀行員が顧客の預貯金を着服したケース、財務の担当者が粉飾決算などの不正会計をおこなったケース、とある団体で文書の改ざんに手を染めたケースなどもふくまれます。

「事件」と名前が付いているだけに、警察の捜査もふくまれた大々的なものを不祥事件と呼んでいます。


「不祥事」と「不祥事件」の違い

間違えて覚えてしまうことも多い、「不祥事」「不祥事件」

どう区別していけばいいのか、「不祥事」「不祥事件」の違いを、分かりやすく解説します。

・軽いものが不祥事、より重いものが不祥事件

「不祥事」「不祥事件」はどちらも「不詳」というおめでたくない言葉が付いているだけ、悪いシーンで使われる用語です。

どちらも決して良い意味では用いられないのですが、差をつけるのであればより深刻な状況が不祥事件になります。

たとえばある有名人が女性関係でトラブルを引き起こした場合。

報道がどんなに加熱したとしても、有名人が逮捕されることはまずありません。

逮捕はされないけれども、芸能人の名誉に傷はつくので「不祥事」になります。

一方で銀行員が大切なお客さんの預貯金を使い果たしてしまったケース。

この場合は詐欺罪などをふくめた刑事事件に発展する可能性があります。

単なるスキャンダルではなく「ひとつの事件」として扱われるので不祥事件になります。

まとめ

ニュースでよく耳にする不祥事は「信頼をそこなう悪い出来事」のこと。

そして不祥事件は「刑事事件に発展する疑いもある、悪い出来事」のことです。

より事件としての重みがあるのが不祥事件になります。

正しい使い分けをして、ニュースを正しく読んでいきましょう。

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