歌や映画、小説、特にアドベンチャー物などの題名として使われるカタカナ言葉の一つに『ラビリンス』というものがあります。
なんだか不思議な感覚がする言葉ですが、語源や実際の使われ方などについて見て聞きましょう。
この記事では、「ラビリンス」の意味を分かりやすく説明していきます。
「ラビリンス」とは?の意味
この単語は『迷宮』を表す言葉です。
実は英語ではなく、ギリシア語から来ていることはあまり知られていません。
英語でも『Labyrinth』というスペルで書くことができ、意味は全く同じ『迷宮』という意味があります。
英語で面白いのは単純に『迷宮』だけでなく、医学用語としても使われており、日本語では『迷路器官』とよばれる内耳の部分についてを指すときにこの言葉を使います。
もちろん今では『迷宮』というものは殆どありませんので、比喩的な表現としての意味が強い単語が日本では主流です。
「ラビリンス」の概要
もともと『ラビリンス』とはギリシャ神話の伝説に出て来るある迷宮を指した固有名詞でした。
ファンタジーなどがお好きな方ならば聞いた事のあるクレタ島にいたミノタウロスという半獣半人のモンスターを閉じ込める為にダイダロスという人間にミノス王が作らせた迷宮です。
テセウスという英雄がこの迷宮に入り見事ミノタウロスを退治したとされているのは有名なお話です。
その際にアリアドネというミノス王の娘が迷宮で迷わない様に糸をテセウスに渡し、見事に生還。
この糸を『アリアドネの糸』と言います。
『ラビリンス』も『アリアドネの糸』も同じくそのままの意味ではなく、比喩表現として使われるものです。
次の項で使われ方について詳しく見ていきましょう。
「ラビリンス」の言葉の使い方や使われ方
まずはそのまま『迷宮』と言い換える場合ですが、これは問題ないと思います。
比喩表現としてですが、事件や問題などが複雑かつ解決不可能になることを『迷宮入り』という表現をします。
ここで注意したいのは『ラビリンス入り』という表現はしないという部分です。
英語では『A labyrinth of street』(道のラビリンス)で『ひどく入り組んでいる道』と表現しますが、日本語で『ラビリンス』というと洋画を吹き替えにした様な気取った表現になってしまいます。
シンプルに『正にラビリンス』という表現はできても、複雑な言葉の組み合わせとしての『ラビリンス』を使った表現は日本では見かけることはありません。
「ラビリンス」の類語や言い換え
言い換えとして代表的なのは『迷宮』です。
これは先ほどの様に『迷宮入り』や『まるで迷宮の様な町の作りだ』という表現を一般的にするので分かりやすいのではないでしょうか。
もう一つの類語としては『ラビリンス』の比喩的表現をそのまま置き換えた『難解』や『難題』という単語です。
これはとても素直な言葉ですので、『難解な事件』や『難題に迷い込む』の様な形で使うことが出来ます。
まとめ
如何でしたでしょうか。
『ラビリンス』という単語はたとえ理解をしていてもなかなか使い方が難しいカタカナ用語です。
カタカナ言葉の使い方に困った場合は素直に日本語に直した方がいい場合もあります。
確かに『ラビリンス』という言葉はありますが、無理に使う必要もない言葉も存在するのが外来語の面白い部分ではないでしょうか。