皆さんは「リスケジュール」と「モラトリアム」という言葉をご存知でしょうか? 日常生活の中ではあまり耳にすることがない言葉かもしれませんが、ビジネスシーンの中やネットでのコラム記事などで目にすることがあります。
そこでこの記事では、「リスケジュール」と「モラトリアム」の違いを分かりやすく説明していきます。
「リスケジュール」とは?
「リスケジュール」とは、「借入金などの返済が難しい状況に陥った時に一定期間約定の返済額を減らしたりするなど返済条件変更すること」を意味しています。
これは企業が経営が厳しくなった時に新規融資が受けられない状況下で資金繰りを改善させるための方法の1つなのです。
この他にも「スケジュールを一旦白紙にて別の日程を決めること」や「計画を変更する」といったような意味で使われるケースもあります。
商談や会議日程を変更する場合に「リスケ」という表現で使われています。
「モラトリアム」とは?
「モラトリアム」は、「世界的な経済恐慌などが起こった時に、国が債務履行を一定期間延長することを認める」という意味があります。
いわゆる「政府による一時停止・猶予」や「期間の支払猶予」という解釈になります。
また、転じて「学生が社会人になる自信が持てずに大学の卒業などを延ばしていること」でも使われています。
「リスケジュール」と「モラトリアム」の違い
「リスケジュール」と「モラトリアム」の違いを整理すると、「リスケジュール」は「借入金返済が困難な時の一定期間約定返済額減額など返済条件変更」という意味がありました。
一方の「モラトリアム」は「国家が債務履行の一定期間延長を認めること」ということで、「返済額減額」と「履行の延長」という違いがあるのです。
「リスケジュール」の例文
「リスケジュール」の例文を見ると、以下のようなものが挙げられます。
・『あの会社は経営が行き詰っているんだ。そのためにリスケジュールを銀行から受けて組織の立て直しを図ることになったんだよ』
・『明日の日程はリスケジュールしてくれませんか?どうしても外せない用事ができたんだ』
2つ目の例文は日程変更という意味合いで使われていることが分かりますが、身近なケースでは後者の方がよくつかわれているのではないでしょうか。
「モラトリアム」の例文
「モラトリアム」の例文は以下の通りです。
・『大学でモラトリアムしてるんだ。どうしてかって言言うと、今年は就職が上手くいかなったからなんだ』
・『大きな経済打撃を受けて国がモラトリアムを余儀なくされたのだ』
「債務履行の一定期間延長を認めること」という意味を持つ「モラトリアム」ですが、1つ目の例文のように就活で内定が取れなかった学生に対しても使われていることが分かります。
まとめ
「リスケジュール」と「モラトリアム」の意味や違いを見てきましたが、この2つの言葉が普段使うことが少ない言葉なので、この記事での内容をチャックして正しい使い方を確認しておくといいでしょう。