「レファレンダム」
「レファレンダム」は英語では“referendum”と書きます。
普段の会話では使われることは滅多にありません。
但し知っておくとビジネスの場で政治や経済の話題になったり、入社時の面接試験で急に話題を振られた時にスムーズに話ができる様になります。
「レファレンダム」の意味
「レファレンダム」の意味と背景、語源などについて紹介します。
「レファレンダム」の意味
「レファレンダム」は、「国民投票」「住民投票」という意味です。
英語での直訳は「国民評決」ですが、上記の方が分り易いでしょう。
現在の日本では、憲法改正を求める時のみ国民投票が定められていますが、まだ実施されたことはありません。
地方自治体では、その自治体の様々な政策に対して住民投票が行われています。
レファレンダムは、国民や住民が直接投票することで民意が反映され易く、政治への関心を高めるというメリットがあります。
大きな時事ニュースになりマスコミにも注目されるなど、国民としての連帯感を生みだすでしょう。
「レファレンダム」の語源
「レファレンダム」の語源は、元々ラテン語の「告知すべきこと」という言葉でした。
これは投票の集計結果を公表するという意味です。
これが英語となり“referendum”になりました。
“referendum”は“re-ferr”という動詞を名詞形にしたもので、「運び戻す」という意味です。
海外の民主主義は民意をそのまま政治に「運び戻す」ものであり、正に英語そのものなのです。
「イニシアティブ」との違い
社会で政治用語として習う言葉に「イニシアティブ」があります。
こちらは「国民発案」という意味で、「レファレンダム」と似ているので違いが分らないという人もいるでしょう。
「イニシアティブ」は、有権者による一定数以上の請求により、法律案や憲法改正案などの「発案」ができるというものです。
但し、現在では地上自治体のみで条例の制定や改正、廃案などを請求する権利として使われています。
地方議会は請求により議論をして、結果を公表する義務があります。
「レファレンダム」の様に直接投票をするものではありません。
「レファレンダム」の言葉の使い方
「レファレンダム」は以下のシーンで使われます。
国民投票
先述の通り、日本で国民全員を対象にした「レファレンダム」は1つのみです。
日本国憲法は非常に複雑で、他の様々な憲法や体制と複雑に関連付けられているので、改正するのは非常に困難となっています。
憲法を「レファレンダム」により改正するにはまず発案をするのですが、それには全国会議員3分の2以上の賛成が必要です。
発案が通るといよいよ「レファレンダム」が行われ、国民の過半数が賛成すれば憲法改正が実施されます。
住民投票
地上自治体の「レファレンダム」には2種類あります。
「地方自治特別法」は、特定の地域だけに制定される法律です。
その地域の住民により「レファレンダム」を行い同意を得ると法律が制定されるのです。
その他にも、地上自治体が必要と判断した場合に条例に基づき「レファレンダム」が行われます。
こちらは「レファレンダム」と言っても民意を推し量る単なるアンケートの様なもので、法的効力はなく自治体は必ずしも結果に従う義務はないのです。
「レファレンダム」を使った例文・短文(解釈)
「レファレンダム」を使った例文と解釈を紹介します。
「レファレンダム」の例文1
「イギリスではレファレンダムを行いEUからの離脱を決定した」
最近海外で最も話題になったのはこのニュースです。
2016年イギリスでEU(欧州連合)の残留・離脱を問うレファレンダムが行われ、離脱が決定しました。
「レファレンダム」の例文2
「大阪都構想はレファレンダムにより否決された」
日本で有名になったのは2015年の「大阪都構想」のレファレンダムです。
こちらは僅差で廃案となりました。
「レファレンダム」の例文3
「日本国憲法を変える為にはレファレンダムが必要だ」
日本国憲法で最近何度も話題になっているのが「憲法第9条」の「戦争の放棄」です。
海外に自衛隊を派兵する度に問題になっているのですが、問題が複雑で未だにレファレンダムは行われていません。
「レファレンダム」の例文4
「この会社にもレファレンダムがあったらいいのに」
会社の待遇や制度に対して不満がある時に、社員による直接投票があればいいと思う気持ちを表しています。