この記事では、「一定」と「特定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一定」とは?
「一定」には3つの意味があります。
1つめは、一つに決まって変わらないことです。
会社勤めをしているビジネスパーソンは、毎月決まった報酬を受け取っているはずです。
たとえば、毎月30万円、毎月40万円などです。
ある月は10万円、ある月は30万円といったように大きく変わることはありません。
この場合は「一定の収入」と表現することができます。
この例だと、収入が定まっており、変わらないことを意味しています。
2つめは、順序や方法が決まっていることです。
名簿や書類などは、書き方が決まっています。
これを「一定の書式」といいます。
3つめは、ある傾向や状態に落ち着くです。
一応はその傾向や状態に落ち着いたという意味合いです。
ある傾向や状態に落ち着いたら、今後は絶対にそこから動かないということではありません。
たとえば、芸能人が人気を得て、その人気状態が続いていたとします。
この場合は「一定の人気を得る」ということができます。
しかし、その人気は一生変わらないものではなく、あるときには失ってしまう可能性があります。
「一定」の使い方
いくつかの意味がありますが、どれにも「定まる」という意味合いがあります。
変わらない、落ち着く、決まっているという意味合いで使用をします。
「特定」とは?
とりわけそれと指定すること、とりわけそれと定まっていることです。
同じような性質や性能を持ったものの中から、特にそれと指定をしたり、それと決まっていたりすることをいいます。
ある物を食べるとアレルギー症状が出る人がいます。
食べものは数多くありますが、アレルギー症状が出るのは、食べものという物の中の特に決まったものです。
これを「特定の食べもの」ということができます。
あるところで犯罪が起こったとします。
警察は犯人を捜しています。
地球上には数多くの人がいますが、ある犯罪の犯人は定まった人だけです。
その人を見つけ出すことを「犯人を特定する」といいます。
「特定」の使い方
それと定めることという意味で使用をします。
同じような性質や性格を持ったものの中から、それと定めることを意味しており、まったく性質・性能などが違うもの同士を比べて定めることではありません。
「一定」と「特定」の違い
どちらの言葉にも、さだめる、さだまるという意味を持つ漢字である「定」が使用されており、2つの言葉には定めるという意味が含まれています。
しかし、同じことではありません。
前者の言葉は、一つに定まって変わらない、決まっているという意味合いです。
後者の言葉は、同じようなものの中から、それと定めるという意味合いです。
まとめ
定めるという意味を含む2つの言葉ですが、一方は定まって変わらないこと、もう一方は特に定めることという意味を持っており、それぞれの言葉の意味は異なります。