物事を集中したり熱心に取り組む様は色々な言葉に例えられることが多く、由来も様々なものがあります。
今回紹介する「一心不乱」は非常に熱心に取り組む様を表す四字熟語ですが、これは元々仏教用語であり段々と現代に馴染む意味となりました。
この記事では、「一心不乱」の意味を分かりやすく説明していきます。
「一心不乱」の意味とは?
「一心不乱」は元々仏教用語であり、この出典は大乗仏教の聖典が由来となっています。
その聖典は「阿弥陀経」と呼ばれるものであり、熱心に念仏を唱えることで修業をしたり悟りを開く姿や精神のあり方を示すものなのです。
「一心」は心を1つにするということで、他の欲望や煩悩に囚われず収集することを表します。
「不乱」は心が乱れないという姿や姿勢を表すものであり、この2つを心に持つことで仏教の修行や悟りに集中できるのです。
「一心不乱」の概要
「一心不乱」は元々仏教用語であり、これが転じて現代用語としても使われるようになりました。
元々は仏教の修行や悟りを開くために努力、あるいは人間の生を終えた後の極楽浄土に生まれ変わるための念仏や祈祷を表す四字熟語でしたが、現代においてはこれらの仏教的な意味で使われることは多くありません。
より現代的な意味での「一心不乱」は物事に打ち込む際の姿勢や努力、集中を表すことが多く、他の物事に対して心を乱されないという使い方をすることが多くなっています。
「一心不乱」の言葉の使い方や使われ方
現代で使われる「一心不乱」は色々な場面で使われるのですが、熱心に集中することや心を乱されることなく行動することから、スポーツなどの真面目な場面から趣味の行動など幅広く使われています。
「一心不乱」の類義語としては「全身全霊」、「無我夢中」、「一所懸命」などがあり、どれも真面目に取り組む様を表す四字熟語となっています。
スポーツ選手が特に集中をした時に入るとされている「ゾーン」も「一心不乱」に取り組んだ際に出ると言われており、アスリートのメンタルの強さを示す言葉として使われることもあります。
「一心不乱」を使った例文(使用例)
・『一心不乱に練習をした結果、レースでは見事一位を取れたので本当によかったです』
・『その絵師が一心不乱に絵を描く姿はまるで鬼のような形相であったが、書き終わると全くもって平凡な顔になるのは不思議である』
・『ファン活動や推し活動を一心不乱にできるのもせいぜい20代ぐらいであり、色々な理由から辞める人が多い』
まとめ
「一心不乱」は元々仏教用語であり、心を1つにして乱されることなく修行することを表していました。
現代では仏教的な意味は薄れていき核となる物事に集中する様を表す時に使われるようになりました。
仏教では「一心不乱」に念仏を唱えれば極楽浄土に行けると信じられていましたが、今ではそのような意味はなく、現状向き合う問題に対して取り組む姿勢のことを示す四字熟語となっています。