学生時代は使わないのに社会人になるととたんに使う機会が増える言葉として「一献設ける」があります。
会社関係などでよく使われるこの言葉ですがいったいどのような意味なのでしょうか。
今回は、「一献設ける」の意味とよく似た類似表現などを紹介します。
「一献設ける」とは?意味
「一献設ける」とは「お酒を飲む宴会を用意する」という意味の言葉です。
「一献設ける」の概要
「一献設ける」の「一献」は「お酒」のことです。
お酒を飲むことを「一杯やる」と表現しますがこの時お酒を表す「一杯」の丁寧な言い方が「一献」です。
そこから転じてお酒を飲む場所や飲む環境のことも「一献」と表現します。
「一献設ける」とはお酒を飲む場所を設ける、つまり「お酒を飲んで楽しめる宴会を用意する」という意味になります。
一般的に「一献設ける」という表現は相手に対するお礼や接待などの目的で宴会を用意するときに使われます。
ただ飲んで楽しむだけではなく相手に対する親睦や感謝などの意味を込めて用意される宴会であり、対等な立場ではなく「一献設ける」側のほうが下の立場で宴会を主催する形になります。
ただし、上司が部下をねぎらうためにお酒を飲む席を用意することを「一献設ける」と表現することもあり、必ずしも身分や立場の上下ではなくその宴会における関係性が大きく影響します。
「一献設ける」はやや格式張った上品な言い方です。
ビジネスの関係者を接待するときなどある程度敬意を払う対象に対して使われることが多く、身内や親しい人に使うのは葬儀の精進落としなどあらたまった場面に限られます。
「一献設ける」の言葉の使い方や使われ方
・取引相手と親しくなるために一献設ける。
・プロジェクト大成功を祝って一献設ける。
・彼女の父親と打ち解けるために一献設けることにした。
・結婚祝いとして親しい友人が一献も受けてくれた。
「一献設ける」の類語や言いかえ
・一席設ける
「酒席を用意する」という意味の言葉で「一献設ける」とはほぼ同じ意味合いです。
お酒を飲む場を用意するという意味ではこちらの表現が使われることのほうが多く、ふたりきりでのさしのみから大人数のパーティーまでどんな時にも使える表現です。
・宴をひらく
「パーティーを開催する」という意味の言葉です。
必ずしもお酒を伴うパーティー限定の言葉ではありませんが一般的には飲んで楽しむ酒席のことを指すので類語として言い換え可能な表現です。
・飲みに行く
「お酒を飲む」の最もシンプルな表現です。
気のおけない相手に対して使う表現ですが目上の相手に対して使ってもさほど失礼ではなく「一献設ける」が表現としてかたすぎる場合は置き換えても全く問題ありません。
居酒屋やバーなどお店でお酒を飲むことを指す表現なので自宅などで飲むときは使われません。
まとめ
「一献設ける」はあらたまった言い方なのでビジネス関係でよく使われます。
このような丁寧な言葉づかいがきちんと出来るとしっかりした人間だと見られて周囲からの信頼も高まります。
意味をきちんと覚えて適切に使いましょう。