「烏有に帰す」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「烏有に帰す」

物にあふれる現代では数えきれないほどたくさんの物に囲まれて過ごしています。

そして新しいものも生まれ続けるため、これからも増え続けるとされています。

しかし時にはすべてを失ってしまうということもあります。

きっかけは様々ですが、家や資産・資料・会社など様々なものが対象です。

そして形があるものもないものもすべて失った後では何も残りません。

そんな時に「烏有に帰す」という言葉を使います。

日常会話では使うことは少ないのですが、その時の状況を表す上では非常に便利な言葉であり知っておく必要があります。

「烏有に帰す」の意味

「烏有に帰す」という言葉はすべてを失い・すっかりと無くなってしまうといった意味を持ちます。

「烏有」という言葉は「烏(いずく)んぞ有らんや」と読まれ、意味としては無いことを前提として「あるのだろうか」というニュアンスを含みます。

そして「帰す」とは「無くなる」という意味を持ちます。

この二つの言葉が合わさることで「何もない」という意味になります。

また昔は何かを失うときは災害が多く、その中でも火災による全焼のケースが頻発していました。

そのため「烏有に帰す」と使うと自然と「火災で全焼した」という意味合いを含むことになります。

「烏有に帰す」の言葉の使い方

「烏有に帰す」という言葉は持っていたものをすべて失った時に使われます。

それは失った時の他者の様子を表現したり、失った自分を説明する時などに用いられます。

また昔の言葉であり、失うときは火事・火災などで全焼した時に使われることが多かったです。

しかし最近では火災以外にも様々な災害があり、失い方自体も災害以外でたくさんのパターンがあります。

そのため以最近では火災に限らず全てを失った時に用いられます。

しかし使い方にも注意は必要です。

他者に使う場合、文字通りすべてを失っているため精神的ダメージは計り知れません。

安易に本人の前で使ってしまうとトラブルにもなるリスクもあります。

自身に使う場合、自分の中ではすでに終わったこととしてとらえていても周りは非常にデリケートな問題として捉えています。

そのため話を受けた相手はどのようにリアクションしていいか分からない・困るという事態にもなりかねません。

言葉の意味の通りすべてを失うという体験をする人は少ないため、使い方も気を付ける必要があります。

「烏有に帰す」を使った例文・短文(解釈)

「烏有に帰す」という言葉は非常にデリケートな言葉であり、下手に使ってしまうと人間関係にも大きな影響を及ぼしかねません。

また普段使いなれない言葉だからこそ、どのような使い方になるのか例文とその解釈を紹介します。

「烏有に帰す」の例文1

「この前僕の家の近くで火事があってね。豪華な家だったんだけど噂では全焼したらしいよ。 どれだけ豪華でいい家でも烏有に帰すと灰にしかならないね」

この場合、火事によって家が全焼して全てを失ったことを伝えています。

全焼した家はもともと豪華でいい家ですが、全焼して何も残らないとどれだけいい家でも肺にしかならないと火事前後での比較を入れつつ、何も残っていないことを「烏有に帰す」という言葉で伝えています。

「烏有に帰す」の例文2

「この前僕の大学で火事があってね。大きな被害はなかったんだけど部屋が一つ焼けてしまって。その部屋に置いていた資料やデータがすべて烏有に帰すことになったよ」

この場合、大学内での火災の出来事を伝えています。

家事自体の規模は小さく、部屋一つで被害は収まりました。

しかしそれとは別に部屋に置いていた資料・データなどが全て失われて知ったため、そのことに対して「烏有に帰す」と伝えています。

「烏有に帰す」の例文3

「うちの親はよく寝たばこをしている。いつか我が家が烏有に帰すかもしれない」

この場合、親の日常的な行動を懸念して表現しています。

寝たばこで火事になる家は多く、これから「烏有に帰す」ような事態が起こるかもしれないと予測・不安の意味で用いています。

「烏有に帰す」の例文4

「私は一度火事で家も試算もすべてを失いました。しかし一度烏有に帰す経験をしたことで物にとらわれない生き方を覚えました」

この話をしている人は過去に火災で「烏有に帰す」経験をしています。

その時にショックもあったが、一度すべてを失うことで人生観が変わったと伝えています。

意味と使い方
意味解説辞典