「下落」と「低下」の違いとは?分かりやすく解釈

「下落」と「低下」の違い違い

この記事では、「下落」「低下」のの違いを分かりやすく説明していきます。

「下落」とは?

「下落」は(げらく)と読みます。

下に落ちるという意味があるのは、この漢字を見ればすぐに理解できます。

しかし机の上から鉛筆が落ちたときに「鉛筆が下落した」と表現するのはまちがえです。

ではどんなものが下に落ちたときに「下落」を使用できるのでしょうか。

よくニュースで耳にするのが「株価が下落した」「原油価格の下落」など経済と関連する事柄です。

このことから「下落」は、株価や物価や価値が下がったことを表現する言葉だというのが分かります。

「株価が下がった」より「株価が下落した」の方がより専門的なニュアンスを感じます。

また「株価の低落」「株価の値崩れ」との表現もあるように、「低落」「値崩れ」「下落」の同義語になります。

また「暴落」という言葉は、下落した値がとても大きいときに使います。

「株価の暴落」と聞けば、投資家たちはヒヤリとします。

対義語は読み方が難しいですが、「高騰(こうとう)」「騰貴(とうき)」になります。

ちなみに「騰」は訓読みで(あが(る))(のぼ(る))になります。


「下落」の使い方

一般的に「下落」を使うのは、株や物価や価値が下がることをあらわすときです。

ただし「アイドルグループの人気の下落」との表現を目にすることもあります。

これはアイドルグループを価値のあるものとみなしているからでしょう。

簡単に「落ちる」でも意味は伝わりますが、社会人としては「下落」をきちんと使いこなせるのが理想的です。


「低下」とは?

「低下」は(ていか)と読みます。

漢字から「低く下がる」という様子を表現しているのは容易に想像できます。

「水位の低下」「品質の低「能力の低下」などの言葉からわかるように、物だけではなく質やレベルに関しても使える言葉です。

同じような意味を持つ言葉には、「下がる」「落ちる」「悪化」「劣化」「減少」などがあります。

対義語は「上昇」「向上」です。

「水位の低下」の反対は「水位の上昇」で、「品質の低下」の反対は「品質の向上」と表現します。

「低下」の使い方

「低下」はさまざまなシーンで使える言葉ですが、ビジネスや学術的な方面で用いられることが多い言葉です。

ビジネス会議で「〇〇工場で生産する△△の品質が落ちた」よりも「〇〇工場で生産する△△の品質が低下した」と発言する方が、きちんと言葉を使い分けられる社会人というイメージを周囲に与えられます。

「下落」と「低下」の違い

「下落」「低下」は、どちらも何かが下がることを表現しています。

両方とも「下がる」と簡単な表現に置き換えられます。

しかし「下落」は、株や物価や価値などが下がる時のみに使う言葉なのに対し、「低下」はより多くのことに使用できる言葉です。

「下落」の例文

・『株価の下落が予想される』
・『金の価値が下落することはないだろう』
・『今回の原油価格下落が原因で、何が起こるか想像はできる』
・『相場が下落する前に、何とかしておくべきだった」

「低下」の例文

・『祖母は最近のところ体力の低下が著しい』
・『前回買ったものより、今回のは品質がかなり低下している』
・『ダムの水位がこのまま低下すると、水不足で給水宣言が出るだろう』
・『心肺機能の能力の低下がみられました』

まとめ

「下落」「低下」は、どちらも下がることを意味します。

また「下落」は、株や物価、または価値など狭い分野でのみ用いられます。

しかし、ビジネスマンなら使いこなしたい言葉です。

もちろんビジネスマン以外でも、状況に適した言葉を選択することで、周囲に良い印象を与えられます。

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