この記事では、「不平等」と「格差」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た意味を持つ二つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
「不平等」とは?
「不平等」にはどのような意味があるでしょうか。
「不平等」には「平等でない」という意味があります。
「平等」には、「一様に等しいこと」という意味があるため、「一様に等しくないこと」を意味すると考えることができます。
何から何まで、同じような条件、待遇であることが平等なら、そうではないことを、不平等は意味していると考えられます。
例えば、国と国とが結ぶ条約を「国際条約」と言いますが、両国の条件や待遇が、まるで同じではないと感じられるとき、「不平等条約」と呼びます。
その根底には、比較する両者が「平等であるべき」という意味が含まれていると考えることができます。
「格差」とは?
「格差」という言葉には、「価格、資格、等級の差」という意味があります。
例えば、着ている洋服に価格の差があるとき、「服に格差がある」などと言います。
また、同じような仕事をしていても、持っている資格や、社会的立場に差があると感じられるとき、「立場に格差がある」などと言います。
賃金に差をつけるときは、「賃金に格差をつける」と表現します。
さらに、格差という言葉を使うとき、比較する者同士の差は決して小さなものではなく、それなりの大きさがあると考えることができます。
両者の差がある程度開いているとき、「差」ではなく、「格差」という言葉を使う機会が多くなります。
「不平等」と「格差」の違い
「不平等」と「格差」の違いを、分かりやすく解説します。
Aさんと、Bさんがいるときに、二人の立場を「不平等な立場」というとき、「二人の立場がまるで同じ条件、待遇になっていない」ことを意味します。
一方で、二人の立場を「立場に格差がある」という場合は、AさんとBさんの立場に、差があることを示唆します。
このように「不平等」の場合は、「まったく同じ立場ではない」ことを意味するのに対して、「格差」の場合は、「差があること」を示唆します。
このため、AさんとBさんの立場が「不平等」な場合よりも、「格差」がある場合の方が、より差が大きいと考えることができます。
また、二人の関係が「不平等」と言う場合は、平等であることを前提としているのに対して、「格差」という言葉を使って称するときは、差があるのが前提になっています。
単に差があるだけでなく、大きな差があるとき、「格差」という言葉を使うことになります。
まとめ
「不平等」と「格差」の違いについてみてきました。
二つの言葉の違いを知ることで、使い分けをすることが容易になりそうです。
「不平等」と「格差」を使いわけたいとき、比較するものが平等であるべきだという気持ちが強い時は、「不平等」を使い、比較するものの差が大きいと感じるときは、「格差」という言葉を使うといいのではないでしょうか。