この記事では、「不明瞭」と「不明朗」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不明瞭」とは?
「明瞭」には、はっきりするといった意味があり、その言葉に打消しの「不」がついた「不明瞭」には、はっきりしない、あいまい、といった意味があります。
何かものごとに対し、はっきりしない点がある場合やあいまいな点がある場合などを示す際、「不明瞭」という言葉が用いられます。
「不明瞭」の類語には、「不明」や「不明確」、「正体不明」、「モヤモヤ」、「不確実」、「疑惑」といった言葉があり、対義語は、はっきりしていることを意味する「明瞭」です。
「不明瞭」の使い方
「不明瞭」は、何が「不明瞭」なのかを示す使い方が多く、「不明瞭な画像」や「不明瞭な明細」、「不明瞭な発音」、「不明瞭な点」などといった使い方があります。
「不明朗」とは?
「明朗」には、明るく朗らか、内容がはっきりとしていて嘘や誤魔化しがない、といった意味があり、その言葉に打消しの「不」がついた「不明朗」には、明るく朗らかでないこと、隠し事や誤魔化しがあること。
その結果、はっきりとしないことといった意味があります。
「不明朗」の類語には、「不審」や「怪しげ」、「不正」、「陰湿」、「陰険」などといった言葉があり、対義語は、明るく朗らか、内容が明確といった意味の「明朗」です。
「不明朗」の使い方
「不明朗」は、何が「不明朗」なのかを示す使い方が多く、「不明朗な融資」や「不明朗な歴史」、「不明朗な政治」、「不明朗な経理」などといった使い方があります。
「不明瞭」と「不明朗」の違い
同じ打消しの「不」を用いた「不明瞭」と「不明朗」。
「不明瞭」の場合、単にはっきりしないといった意味となりますが、「不明朗」の場合は、誤魔化しや悪意によってはっきりとしないといった意味があります。
この嘘や誤魔化しの有無によって、同じはっきりとしないことを示す言葉でも大きな違いがある言葉となります。
「不明瞭」の例文
・『テストにおいて、採点の基準が不明瞭だということは絶対に避けなければならない。』
・『多くの歯を失ってしまった祖母は、どうしても発音が不明瞭になってしまいます。』
・『最新技術を使って、不明瞭な画像を少しでも明瞭にすることはできないでしょうか。』
・『決算において、一つでも不明瞭な点を残してはいけません。』
「不明朗」の例文
・『監査で、不明朗な経理が浮き彫りになりました。』
・『私は、不明朗なことが大嫌いです。』
・『上司から不明朗な融資を行っていることを指摘された。』
・『巷で広がる不明朗な噂ほど、信じてはいけません。』
まとめ
以上が「不明瞭」と「不明朗」の違いです。
似たような言葉となり、また、意味も似たようなものとなりますが、両者には?や誤魔化しがあるか、ないか、といった大切な違いがあり、そのことを踏まえた使い分けが求められる言葉となります。