「世知辛い世の中」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「世知辛い世の中」とは?意味と使い方

この記事では、慣用句の「世知辛い世の中」の意味を分かりやすく説明していきます。

「世知辛い世の中」とは?意味

「世知辛い世の中」の読みは、「せちがらいよのなか」で、「周囲がけちで抜け目がない状況で、ギスギスしていて生きにくい社会や世間であること」を意味する慣用句です。


「世知辛い世の中」の概要

「世知辛い世の中」でキーワードとなる「世知辛い」の意味を少し詳細に説明します。

「世知辛い」の言葉は「世知」「辛い」で構成されており、最初の言葉の「世知」には仏教用語で「世俗に生きる凡夫の知恵」「 世渡りの知恵」、そして「抜け目のないことや、けちなこと」と言う三つの意味があります。

「世知辛い」においては、三番目の意味で使われています。

また「辛い」は味覚上の「からい」と言う意味の他に、「つらい」と言う意味があり、ここでは「つらい」の意味で使われています。

従って、この二つの言葉によって形成される「世知辛い」「抜け目がなく、けちな状況がつらい」との意味になるのです。

元々は、仏教用語でポジティブな意味として「世俗に生きる凡夫の知恵」であった「世知」が、その知恵を人間の強欲により、「辛い」と結びついてしまうほど、「抜け目のなく、けちな状況」の意味に転じてしまったのが、現在日常的に使われている「世知」であり、「世知辛い」と言う言葉なのです。

一方、「世の中」はご存知の通り、「社会や世間、または当世」などを意味する言葉で、「世知辛い世の中」とは前項で記載した「周囲がけちで抜け目がない状況で、ギスギスしていて生きにくい社会や世間であること」の意味となるのです。

周囲の人の多くが、それぞれ自分の利益や出世ばかりを考えて、お互いに思いやる心が欠如している状況に対して、自分は周囲の人達のように上手く立ち回れないケースなどで、使われる言葉です。


「世知辛い世の中」の言葉の使い方や使われ方

「世知辛い世の中」の慣用句は、以下の例文のように使われます。

・『こんなに世知辛い世の中に、いつからなってしまったのかと、残念に思ってしまいます』
・『世知辛い世の中で、彼女の献身的な行為は、私にとって心の救いとなりました』
・『田舎を出て都会生活を始めた頃、世知辛い世の中であることを痛感させられたものです』
・『世知辛い世の中になるにつれ、置き去りにされた弱者が、社会問題として顕在化しだした』

「世知辛い世の中」の類語や言い換え

「世知辛い」の類語としては、「生きづらい」「暮らしにくい」「けち臭い」「ずる賢い」が挙げられます。

「世の中」の意味は広く理解されているので、あえて言い換える必要もないので、「世知辛い世の中」は、「生きづらい世の中」「暮らしにくい世の中」「けち臭い世の中」「ずる賢い世の中」と言い換えれば良いでしょう。

まとめ

「世知辛い世の中」とは、「周囲がけちで抜け目がない状況で、ギスギスしていて生きにくい社会や世間であること」を意味する慣用句です。

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