よく似ているけれど全く意味の違う表現として「両極端」と「極端」という言葉があります。
このふたつは意味も使うべき場面も全く違いますが具体的にはどのように異なっているのでしょうか。
今回は、「両極端」と「極端」の違いについて解説します。
「両極端」とは?
「両極端」とは、「中庸から最も離れた位置にある正反対のふたつの要素」を指す言葉です。
物事の基準として真っ直ぐな棒をイメージしたとき、中心から見てそれぞれの端に位置するふたつ要素を「両極端」といいます。
ふたつの要素は性質的に正反対で相容れないものであり、全く異なるものでありながら標準とする点から見て同じく最も遠く離れた場所に位置しています。
「正反対でありながらどちらも偏っている」のが「両極端」です。
例えば「白と黒」「善と悪」「ハト派とタカ派」など良し悪しとは無関係に性質が中庸から等しく離れている正反対の要素のふたつを合わせて「両極端」と呼びます。
「両極端」は物事の選択肢においてそれ以上ないという状態です。
例えば、買い物の予算を考えるとき普通の人は持っているお金のうち使っても問題がない金額を予算にしますが、「両極端」の考えだと「全財産つぎ込むか一円も使わないか」ということになります。
「程よく「や「そこそこ」など中庸ではなく方向性の異なるふたつの限界を指すのが「両極端」です。
「両極端」の使い方
・両極端の意見では相容れるはずがない。
・アイデアは両極端なもので実現不可能だ。
・投票結果は両極端にわかれた。
・強と弱のふたつしかない両極端なエアコン。
「極端」とは?
「極端」とは、「普通から大きく離れていること」を意味する言葉です。
「極端」のもともとの意味は「これ以上ないほどのはし」をです。
限界ギリギリに極まっているほど端っこに位置していることを意味する言葉で、そこから転じて「物事が普通からこれ以上ないというほど大きく離れていること」を指して「極端」と表現します。
普通や中庸ではない偏っている様子を指す言葉で物事が限度いっぱいにまで偏っていることを意味します。
それ以上基準点から離れることはできませんが一般的には絶対的にではなく相対的に離れている場合に使われる言葉なので必ずしも限界いっぱいである必要はなく、おおよそ限界に近い状態であれば「極端」という表現が使われます。
「極端」の使い方
・極端な意見には賛同できない。
・極端な性能を持った機会は使いづらい。
・そういう極端な物言いは反感をかうだけだ。
・極端な上がり症なので人前に出るなんてとても無理です。
「両極端」と「極端」の違い
「両極端」と「極端」の違いは「ふたつであるか」です。
「両極端」とは正反対に位置するふたつの「極端」を表す言葉です。
「最高と最低」「やるかやられるか」など相反するふたつの要素をまとめて表している言葉であり、「極端」が1や3以上の場合には使われないふたつである場合のみの限定的な表現です。
「極端」は普通から最も遠ざかった場所に位置している要素を指す言葉で複数存在することもあります。
まとめ
「両極端」と「極端」は似ているようで全く違う表現です。
使い方を間違えると噺の内容が全く変わってしまうのでそれぞれの意味を踏まえて適切に使いましょう。